ネクタイを上手に結ぶことから男の人生は始まる――こう語ったのは、『ドリアン・グレイの肖像』『サロメ』などを書いたアイルランドの作家、オスカー・ワイルドだ。
多くのビジネスマンの方ならば、毎日のようにネクタイを結んでいるだろう。しかし単に結べることと、カッコよく結べるとは大きな違いがある。なかなか思い通りに結べず、不本意のまま家を出た記憶をお持ちの方も多いだろう。しかしネクタイは布一本で作られている。結び方やカッコよく見せるテクニックも慣れればそんなに難しいことではない。イタリアのナポリで1914年に創業、イタリアはもちろんのこと、世界の政治家やエグゼクティブたつにも愛される老舗「マリネッラ」で、マネージャーを務める外島大輔さんに、ネクタイの結び方とプロらしいテクニックを聞いてみた。
最も基本的でポピュラーな「プレーンノット」
「ネクタイの数学」(トマス・フィンク、ヨン・マオ著)にはネクタイの結び方は85通りもあると書かれている。188通りと書く海外の文献もあるが、カッコよく結ぶといってもそんなに多くの結び方を覚える必要はない。
「マリネッラの当主であるマウリッツィオ・マリネッラもいつも言っているのですが、ネクタイの結び方は基本2種類でいい。プレーンノット、セミウィンザーノットの2種類。この結び方を習熟できれば、ほとんどのスーツスタイルにマッチしますよ」
「プレーンノット」は、最も基本的でポピュラーなネクタイの結び方だ。世界的には「フォアインハンド」と呼ばれ、4頭立ての馬車の御者がこの結び方をしたことから命名された。

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