身元保証で保証の期間を定めない場合、有効期間は3年間、期間を定める場合も最大で5年を超えることはできないとされています。この期間の更新は可能ですが、自動更新にすることはできません。

また、社員が業務に適任でない場合や問題を起こすおそれがあるとわかったとき、会社は身元保証人に通知をしなければならず、身元保証人はその通知を受けた時点で将来に向かって契約を解除できることになっています。

負担額、会社の「言い値」にはならず

さらに、会社が身元保証に対して損害賠償を請求して裁判になった場合、身元保証人が負担すべき額は会社の「言い値」にはなりません。裁判所は(1)社員の監督に関する会社の過失の有無(2)身元保証人が身元保証をするに至った事由およびそれをするときにした注意の程度(3)社員の任務や身上の変化(4)その他一切の事情――を考慮して賠償金額を決めます。

実際の裁判では、会社側の管理体制にも落ち度があったこと、友人として断れずやむなく身元保証人となったことなどの事情が考慮され、請求額が相当程度減額されているケースがほとんどです。

とはいえ、もし本人が会社の金を横領してしまい、会社からの請求額が1億円という場合、裁判所による減額が適用されて2割になったとしても2000万円(!)です。到底支払える額ではありません。やはり、賠償額の上限が決まっていないと不安です。何とか法律による制限がかからないものでしょうか。

上限額を設けなければ保証は無効

2020年4月から施行される改正民法では、極度額(上限額)の定めのない個人の「根保証契約」は無効とされることになりました。根保証契約とは、特定の債権者と債務者との間で現在から将来にわたって発生する不特定の債務を保証人が保証する契約をいいます。

例えば、賃貸借契約において借り手の保証人になる場合もこれに当たります。保証人になる時点では、借り手が将来いくら賃料を滞納するか、貸主からどの程度の原状回復費を請求されるかがわかりません。

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妥当な上限額は?