誤解の多い爪水虫 間違ったケアは家族へ感染のリスク

日経Gooday

l. 2010;37:397-406.

爪水虫は家族への感染の原因に

水虫を放っておくと家中に白癬菌に感染した皮膚や爪がボロボロとはがれ落ち、それが同居する家族の皮膚に付着して感染する可能性がある。福田さんによると、環境中に散らばった白癬菌は、少なくとも月単位で、湿気が保たれれば1年以上も生きる可能性がある。水虫になる要因の調査によると、「靴を8時間以上履く」の水虫リスクへの寄与度が1.43であるのに対して「同居家族に水虫がある」は22.27と格段に高くなっている[注4]

渡辺晋一ら,日本皮膚科学会雑誌. ,2001;111(14):2101-2112.を基に編集部で作成

「顔の水虫、インキンタムシなどが、親の足や爪の水虫が原因で起こることがあります。床に転がって遊ぶ小さいお子さんにも感染するリスクがあります」(福田さん)

自分で感染を繰り返す、家族にうつすといったこと以外にも、爪水虫の場合、進行すると爪が変形し、歩行に影響が出て高齢者では転倒の原因にもなることもある。また、「糖尿病がある人では水虫が重篤化しやすい。さらに二次感染から足の壊疽(えそ)が進行し、切断に至る例もある」(福田さん)。「たかが水虫」と軽く見ている人は多いかもしれないが、「されど水虫」。水虫は、痛くもかゆくもない爪水虫も含めて、侮ってはいけないのだ。

爪水虫は完治できる!?

ただ、水虫かも?と気づいても、「人に知られたくない」「病院に行くのがめんどう」などの理由で、受診していない人も多い。また、足水虫に比べて治りにくい爪水虫について、何十年も前に医療機関を受診したっきり通院せず、市販薬や民間療法で効果を得られず治療を断念した人の中には、「爪水虫はどうせ治らない」と思い込んでいる人も多いかもしれない。

確かに、足水虫と違って、爪水虫は市販薬では治せない。だが、医療機関を受診して適切な薬を処方してもらえば、「ほとんどすべての爪水虫は完治できると考えていい」と福田さんは言う。

ちなみに、水虫については様々な民間療法や自己流のケアで治そうと試みる人もいるが、下記に挙げた方法や考え方は、全て間違いだ。効果がない対策はやめておこう。

【水虫の間違ったケア法】
× 水虫は湿気を好むので、はだし生活をする(ただし、治りはしないが感染予防にはなる)
× 酢に足をつける
× ニンニク、アロエ、ショウガ汁をつける
× 炎天下で砂浜を素足で歩く
× 紫外線を当てるため日光浴をする
× 爪水虫に市販薬を根気よく使い続ける

[注4]渡辺晋一ら,日本皮膚科学会雑誌. 2001;111(14):2101-2112.

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