波乱局面でリスク抑制が強み バランス型投信に脚光QUICK資産運用研究所 清家武

写真はイメージ=123RF
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世界の株式相場が波乱の局面を迎えている。新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気が失速しかねないとの懸念から日米欧の主要株は大幅に調整した。感染拡大が早期に収束する見通しは立っていないため、相場は当面不安定な動きが続く公算が大きい。

こうした市場環境で資産運用をする際に大切なのは投資資金を値動きの異なる複数の資産に分散し、価格変動リスクを抑えることだろう。投資信託では株式や債券、不動産投資信託(REIT)などに投資するバランス型投信が選択肢になりそうだ。

バランス型、19年は9000億円強の資金流入

バランス型投信はここ数年、個人投資家の人気が高まっている。2019年は設定額から解約額を引いた額が約9100億円の流入となり、12月末時点の純資産残高は約11.5兆円と前年に比べおよそ3割増えた。投信市場全体は低迷し、上場投資信託(ETF)を除く追加型株式投信から約6300億円の資金が流出した。1998年の銀行による投信窓口販売の解禁以降に暦年ベースで流出超となったのは初めてだ。

バランス型に資金が流入したのは株式相場が米中貿易摩擦の激化や世界的な景気減速懸念を背景に乱高下するなか資産分散によって値動きが相対的に小さく、安定した収益を見込めるという投資家の期待が高まったためだ。

金融庁の意向のもと「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」重視の流れが強まり、金融機関が手数料を目的とした新商品の積極的な販売を控えたことも大きい。信託報酬を軸とする資産管理型営業に移行しようとしており、分散・長期投資に向くとされるバランス型の販売に力を入れる金融機関が増えているようだ。

一方で国内株式型、海外株式型、海外債券型は流出超となった。投信タイプ別の年間騰落率をみると国内株式型は約20%、海外株式型は約30%のプラスと好調だった。運用成績が良かったのに流出超となったのは金融機関の営業スタイルの変化に加え、景気の先行きなどを見極めようとしていた投資家が年後半に相場が急ピッチで上昇した局面で買いそびれたこと、すでに保有していた投資家は相場上昇を受けて利益確定の売りを出したことなどが要因とみられる。

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先物でリターン拡大狙うタイプが上位に