就活で増える自己PR動画選考 差がつく撮影のコツ就活探偵団

今年の就活の新潮流の一つが「自己PR動画」だろう。面接で就活生に会う前に人材を見極められ、事前に提出させる企業が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で説明会などの中止や延期も相次ぐ。通年採用の拡大などもあり人事担当者の負荷が高まる中、効率的に選考できる手段として注目を集めている。学生も適切な撮り方に注意が必要だ。

印象の良い自己PR動画って?

「動画は学歴やエントリーシートの文章に自信がなくても逆転できるチャンスがあります」

就活が本格化する目前の1月。跡見学園女子大(東京・文京)の一室に就活生が詰めかけた。お目当ては自己PR動画対策講座。講師は神戸市で写真館「Settsu Studio(セッツスタジオ)」を経営するカメラマンの赤松隆氏だ。

赤松氏は毎年2500人の就活生の証明写真を撮影する人気カメラマン。中には東京在住の学生がわざわざ新幹線に乗って訪れるほどだ。

自己PR動画はあらかじめ会社から指定されたスマホアプリを使い、30秒や1分など短時間で自己PRや志望動機などを話してもらうというもの。企業の人事担当者はこれを見て実際に1次面接に呼ぶべき人材かどうか判断の材料にする。多くの場合はエントリーシートと同時に提出する。

2020年卒の就活では、赤松氏が学生から自己PR動画の提出を求められたと相談があった企業は全日本空輸や資生堂など大手企業を中心に14社。21年卒の選考でも動画の提出を求める可能性が高いという。

企業が選考効率化

自己PR動画が増えたのは選考をより効率化させようと考える企業側の事情が大きい。従来の企業の人事担当者は一定期間採用活動に費やしていればよかった。しかし、インターンシップの開催や通年採用などの導入で、年中採用活動に携わらなくてはならなくなった。人材コンサルティングのヒューマネージ(東京・千代田)の調査によると通年採用の拡大で「業務負荷が増える」と懸念を感じる人事担当者は75%に達する。

売り手市場とはいえ、人気企業の場合はエントリー数が数千にも達する。すべての人を面接するのは不可能だ。そこで効率的な予備選抜の方法として登場したのが動画選考というわけだ。

これまでは「学歴やエントリーシートの内容などで判断してフィルターをかけていた」(赤松氏)が、実際に面接に呼んでも、実物とかけ離れているケースがよくある。動画エントリーならそうした就活生を未然にはじくことができる。

オリエンタルランドの子会社でホテル運営を手掛けるミリアルリゾートホテルズ(千葉県浦安市)は18年卒の総合職の採用から動画選考を導入した。20年卒では「志望動機」「学生時代に頑張ったこと」など複数のお題の中から選ばせ、30秒で話してもらった。

動画を提出させることでエントリーのハードルが上がり志願者が減る懸念があったが、「志望度が高い人が受けてくれるようになったため、選考過程での辞退者が格段に減った」(人事部の飯高雅人シニアマネージャー)と効果を実感する。

全日空も導入

全日本空輸でも総合職で動画選考を昨年初めて導入した。「動画選考を導入してから1人の採用者にかける時間は増えた」(人財戦略室の橋本昌樹マネージャー)。動画選考という新しい評価項目が増えることによって、就活生も様々な角度から見てもらうことができる。「表現をする場が1つ増えたと思ってもらえば」(橋本氏)

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