上役に毅然とした態度を見せられるか

このような、若い共演者に対する気遣いや配慮は上司としての部下に対する態度と同じでとても重要な役割であるといえます。

一方、管理職は上に対しても、毅然とした態度が求められます。長谷川さんは上と対峙する光秀を演じるにあたって、その心がけを『THE21』2月号(PHP研究所)の特別インタビューのなかで次のように語っています。

「(明智光秀は、)上司に対してズバッと言うし、知性と品性で進んでいく光秀は『今の世の中にいたらいいな』という人物だという気がしていて、そういうつもりで演じています」

上司に対してズバッと言う姿勢は、知性と品性が伴っている人こそ説得力が増すと思います。日々の仕事を通して得たことや業務に不可欠な情報を自分のなかにストックしているからこそ、知性は身に付けられるものであり、また品性は、日々の言動や行動のなかからにじみ出てきます。

そう考えると、明智光秀を演じている長谷川さんもまさに今の時代に必要な管理職タイプといえるのかもしれません。

大河ドラマは一年間という長丁場ですから、長谷川さんも「すごく大変で、疲れすぎて『もう嫌だ』となるところもある」と語っています。ですが、次の日の朝には、「素晴らしい経験をさせてもらっている」と、気持ちを入れ替え、リスタートしているのだそうです。

日々の繰り返しは確かに疲れますが、その日の経験はその日にしかないもの……。日々の経験をストックしていくなかで、知性や品性を磨きつつ、上司や部下との間で上手な連携を図っていけたら理想的です。

現実にはなかなか難しいことではありますが、『麒麟がくる』の長谷川さん演じる光秀を見ながら、自身の理想に近づくエッセンスを感じとっていけたらと思います。

鈴木ともみ
 経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー。日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。テレビ、ラジオ、各種シンポジウムへの出演のほか、雑誌やWeb(ニュースサイト)にてコラムを連載。主な著書に『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。株式市況番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重TV・ストックボイス)キャスターとしても活動中。近著に「資産寿命を延ばす逆算力」(シャスタインターナショナル)がある。

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