初代ロードスター マツダが自らレストア、狙いは何?

マツダは初代ロードスターのレストアを手がけている。その内容と価格、そして狙いは?
マツダは初代ロードスターのレストアを手がけている。その内容と価格、そして狙いは?

お気に入りの愛車が再び、新車の状態に戻ったら……。1台のクルマに長く乗り続けた経験がある人なら、一度はそんな思いを抱いたことがあるのではないだろうか。その夢を実現させたのがマツダだ。世界的なヒットとなった初代ロードスター(ユーノス・ロードスター)を新車同様によみがえらせることができるレストア(修復事業)サービスを提供している。いったいどんなサービスなのか。狙いは何なのか。自動車ライターの大音安弘氏が解説する。

◇  ◇  ◇

マツダが自ら行うレストアサービス。その対象となるのは初代ロードスター。1989年に発売された小型のオープンスポーツカーだ。

1989年に誕生したユーノス・ロードスターは、世界的にヒット。誕生から30年以上が経過した今も、愛好者は多い

バブル景気真っただ中に送り出されたモデルだが、実に自動車としてはシンプルな造りで、当時流行のハイテク装備とは無縁。むしろ、その構造は、クラシックな英国のスポーツカーにならったものだった。

手ごろな価格で楽しめるオープンスポーツカーとして発売されたロードスターは、日本だけでなく、世界的なヒットを記録。それからマツダは30年以上、4世代にわたりロードスターを販売し続けている。2016年には累計生産台数100万台を突破し、世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカーとしてギネス記録にも認定され、現在もマツダの看板車種の一台だ。

ロードスターは現在まで4世代が送り出され、世界で最も多くのファンを持つ2人乗り小型オープンスポーツカーへと成長を遂げた

一台一台を手作業で組み上げていく

初代ロードスターを末永く愛用してもらうべく、マツダの取り組みとしてレストアサービスが発表されたのは17年8月。同年12月よりレストア車両の受け付けが開始された。

作業はメニュー化されており、外装とボディーのリフレッシュを行う基本メニューは、254万7000円から。この他、オプションメニューとして、「インテリア」「エンジン&パワートレイン」「シャシー&サスペンション」「エアコン」「アルミホイール&タイヤ」が用意され、全てのメニューを組み込んだ総額は、494万2000円からとなる。最新型ロードスターのエントリーグレード「S」の価格が、260万1500円なので、基本メニューだけでも、新車のロードスターが買えるほどの金額なのだ。

だが、実際の作業内容を見ていくと、高価なサービスというイメージは薄れていく。

作業内容と費用は、ユーザーの要望と車両の状態によって異なるが、まず全てのロードスターは、完全に分解される。ボディーだけの状態から塗装を行い、その後、再び部品を組みつけていく。もちろん、必要な部品の交換や修理が施されるが、その工程の全てがハンドメードとなる。ロードスターを構成する約5000点の部品のうち、レストアサービスでは、フルメニューだと約1000点の部品が交換されるという。受け付けから納車までに多くの時間を必要とするが、仕上がった車両は、まさに新車同然。修理箇所と新品交換部品には、1年1万キロ保証が与えられる。

完全に分解され再塗装されるロードスター。この後、各部のパーツを再び装着し、新車当時の姿に近づけていく
約5000の部品で構成されるロードスター。フルコースのレストアでは、約1000点の新品部品が使われるという
ピカピカに仕上げられたエンジンルーム。まさに工場出荷時の状態だ

ただ全ての初代ロードスターがこのレストアサービスの対象となるわけではない。

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