投資用マンションの勘所 空室率や賃料保証、税に注意不動産コンサルタント 田中歩

2020/3/4
写真はイメージ=123RF
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安定した家賃収入を得られる、購入資金を借り入れで賄えるので少額の元手で始められる――投資用マンションの購入を勧める動きが引き続き盛んです。中には、融資をめぐる案件で不動産会社から金融機関に提出された借り入れ希望者の年収や職業などを記した審査資料が改ざんされている事例も見つかったといいます。こうした会社は投資用マンションの購入者に不動産投資に対するリスクを十分説明していない可能性もあります。実際、筆者のところへ投資すべきかどうかの相談に来られる人が持ち込んでくる投資用マンションの事業収支シミュレーションにはおかしな部分が散見されることが多いのです。今回はマンション経営を始めるに当たってチェックしておきたい「勘所」を紹介します。

賃料収入、経年や空室率を加味してチェック

不動産会社から事業収支シミュレーションをもらったら、まずは賃料収入をチェックしましょう。家賃が相場と比べて高すぎたり低すぎたりしませんか。ウェブサイトで近隣の賃貸物件の募集賃料を参考にすれば乖離(かいり)の有無がわかるはずです。もし賃料が相場より高いという場合、入居者の退去後の賃料は下がる可能性が高いということを認識しておく必要があります。

投資用マンションの収支シミュレーション上、賃料収入が何十年間も変わらないままというのを目にしますが、永遠に賃料が変わらないということはまず考えにくいです。ですから、経年(建物の築年数の増加)によって賃料が下がることも考慮しておく必要があります。仮に相場賃料に変化がないとした場合でも、経年による賃料の下落は少なからずあります。筆者の分析ではありますが、東京都区部でも1年で0.5~1.0%程度で賃料下落が認められます。

また、退去されてしまえば、次の入居者が決まるまでは空室になります。つまり空室率を考えておく必要があるのです。たとえばワンルームの場合、3年程度で退去、次の入居者が決まるまでの期間を3カ月と想定できるのであれば、空室率は8.3%としておく必要があります。つまり、実際の賃料収入はシミュレーションに記載された賃料収入の91.7%で見ておく必要があるということになります。

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