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佐藤浩市 薄れる物欲、でもまだ悩むゴルフクラブ選び

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主演・助演を問わず活躍を続ける佐藤浩市さん。「モノに執着がなくなってきた」と話す名優が、それでもこだわりを持ち続けているモノとして話してくれたのは、ゴルフクラブとレコードだった。

外したくないゴルフクラブ

「モノに対するこだわりが、あまりないんですよね(笑)。役者仲間には、時計とか、身につけるモノが好きな人間が確かにいますけどね。車が好きな人間とか。僕も若い時は車にこだわりがあったりしたんだけど、だんだん執着心が薄れていって。今はもう、ゴルフクラブに対する執着心ぐらいしかない(笑)。

ゴルフクラブは、評判だけでは自分に合うものなのかが分からない。だからショップに行って試してから買いますね。基準は、今、自分がやりたいゴルフに沿うもの。年齢とともに、どうしても筋力とかいろんなものが低下してきますから、それを補うクラブを選んだり、補うことに対してあえてあらがって逆にハードスペックなものを試してみたり。大事なのは、ヘッドとシャフトのマッチングや、打感の良しあし。カスタムにしてシャフトを変えたり柔らかくしたり、いろいろしますよ。『クラブ1本ぐらい、簡単に買えるでしょ?』って思われるかもしれないけど、買って外すことぐらい、悔しいことはない(笑)。できるだけ外さないようにって、そこはこだわりますね。

最近買って良かったのは、バルドっていうメーカーのクラブ。久々に打感が非常に良かったなあ。それとテンセイ(三菱ケミカル)の『CK プロ オレンジ』というシャフトとのマッチングが良かったですね。

ゴルフの魅力は、愚かしくも自分が出てしまうところ。やっぱり、人となりが出るんですよ。僕も今年60(歳)になるので、そろそろ達観できているだろうなと思いながらもなかなかそうはいかない(笑)」

ベストスコアは69と、プロも顔負けの腕を持つ佐藤さん。ゴルフとともにファンの間で知られているのが「ヘビーメタル好き」だ。愛聴してきたのはブラック・サバスやユーライア・ヒープといった70年代に全盛期を迎えた英国のバンドたちだという。

持っていることがうれしいアナログレコード

「聴き始めたのは中学くらいかな? ガキの頃からヘビーロックが好きで。みんなが(レッド・)ツェッペリンとかディープ・パープルに行くなか、僕はブラック・サバスとかユーライア・ヒープとか、そっちでしたね。本流に行くのが、嫌なタイプだったんで。

当時買っていたのはレコードでした。よく『CDと比べたら味わいが違う』とか言われるけど、『まあ、そんなことはどうでもいいんじゃねぇの?』と思ってる(笑)。ただ、レコードは持ち物としてバリューを感じますよね。LPのジャケットが持つ、見開きも含めてのモノ感っていうのかな。だからレコードは、枚数を持っていることが妙にうれしかったりする。今も、家に500枚ありますよ。ほとんどが70年代半ばくらいまでの洋楽なんだけど、僕ね、矢沢(永吉)さんのソロアルバムの初版を持っているんですよ。そういえば、フジテレビの亀山千広元社長に『初版はすごい価値がある』と言われて、『そうなんだ』と思ったな(笑)。

レコードを聴いていたのは、40代半ばか50歳くらいまで。最近じゃもう、ほとんど聴かなくなりましたね。それでも持ち続けているのは、『持っている』っていう所有欲を満足させたいからかもしれない。これからも捨てることや売ることはないだろうと思います」

手帳や指輪で思いを表現した「Fukushima 50」

3月6日公開の出演映画は、門田隆将さんのノンフィクション(「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」)を、若松節朗監督(「沈まぬ太陽」「空母いぶき」)が映画化した「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)。佐藤さんは、2011年3月の福島第一原発事故現場で指揮を執る1、2号機当直長・伊崎利夫を演じている。

「(原発推進派と反対派の)どちらに転んでも、どちらかのプロパガンダになりかねないテーマ。一方の立場に偏重してやる作品だったら、僕としてはちょっと、お受けできないなと思ったんです。でも、若松さんや企画プロデューサーの椿(宜和)さんは、『そのどちらでもなく、この映画では現場の人間にフォーカスを当てたい』と言う。それなら僕も含めて知らないことが多い。これはやるべきじゃないかと思いました。

役作り? いやもう、役作りなんかないですよね。最前線にいた現地雇用の方々は、国に対して、家族に対して、故郷に対して、どういう思いでいたのか。国の肩越し(向こう側)に家族や故郷を見たのか、家族や故郷の肩越しに国を見てそこにいたのか、どっちなんだろうとちょっと思ったくらい。演じてみると、そんなこともどうでもいいんですよ。大事なのは、何かできるわけじゃなくてもそこにいるしかない、いることが大事なんだ、と思わざるを得なかった人たちの気持ち。それをなんとか表現として伝えられたらという、それだけでした」

撮影で印象に残っているモノは、「手帳」や「指輪」だと言う。

家族への思いを描いた手帳や指輪

「原発で働く方々は、現場に手帳すら持っていけないんですよ。全部、自分たちのロッカーにしまって最前線に向かう。伊崎は昭和のお父さんですから、家族の誕生日もきっと覚えてない。だから、手帳に誕生日を書き込んでいるんじゃないかと監督と話をしたりしました。そして、その手帳を一瞬、(原発事故が発生している)現場に持って行こうとするんだけど、やはり置いていく。その一方で、吉岡秀隆くん演じる5、6号機当直長の前田拓実は、最前線に行く時に結婚指輪を外すんです。外して、1回は置くものの、死地に向かう時にはやっぱり指輪をはめる。小道具っていう言い方は好きじゃないけど、その手帳や指輪を描くことで、世代ごとの家族への思いを表現できた気がします」

完成した作品は、地震、津波に始まり、原子炉の全電源喪失、度重なる爆発など、次々に危機が迫るエンターテインメント作品になった。観客は手に汗握る一方で、リアルに起きた大惨事を映画として楽しんでいいものかと一瞬、脳裏をよぎるかもしれない。

「映画では、実在した吉田所長を渡辺謙さんが演じています。僕の役は、モデルとなる方はいらっしゃったけど、映画の上でのキャラクター。だからノンフィクションの部分はありつつも、フィクションとしてつくった商業映画なんです。賛否はあるかもしれないけど、エンターテインメントという形を取ることで、間口は広がり、いろんな人に見ていただける。そこが製作サイドにとって、一番大きな選択であったと思います。

みなさんにはまず見ていただいて、劇場を出た時に、ふと街の明かりや携帯電話で話す老若男女を見て、何かを感じてもらえたらいいなと思いますね」

今、欲しいものは「物欲」

俳優デビューして、今年で40年。その間に、父・三國連太郎さんと「美味しんぼ」(96年)などで共演した佐藤さん。今年は阪本順治監督の「一度も撃ってません」(4月24日公開)で俳優となった息子の寛一郎さんと初共演を果たす。

「最初にやる作品としては、非常にいいんじゃないかと思ったんです。阪本組っていうスタッフや共演者も含めて、いろいろな意味で自分の庭みたいな場所だったし、内容的にも、ある種気楽にやれる映画だったので。つばぜり合いを演じるような作品は、いつかやればいい。僕もまだ、もう少しは元気なんで(笑)。

今、欲しいものですか。今はゴルフクラブも欲しいものはないし、『こういう車に乗りたい』っていうのも、50過ぎてからは本当になくなったからなぁ。物欲がないってことは、どんどん老けていくということかもしれない。だから、物欲を持ちたいなあと思います(笑)」

佐藤浩市
1960年生まれ、東京都出身。80年に俳優デビュー。81年の映画「青春の門」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。94年の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」、16年の「64 -ロクヨン- 前編」で同賞の最優秀主演男優賞を受賞した。その他の出演映画に「敦煌」(88年)「ホワイトアウト」(00年)「KT」(02年)「ザ・マジックアワー」(08年)「誰も守ってくれない」(09年)、「愛を積むひと」(15年)「記憶にございません!」(19年)など。今年は「一度も撃ってません」(4月)「太陽は動かない」(5月)「騙(だま)し絵の牙」(6月)、そして主演を務める「サイレント・トーキョー」(12月)の公開が控えている。

「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)

2011年3月11日、東日本大震災が発生。その直後、福島第一原子力発電所は巨大な津波に飲み込まれ、メルトダウンの危機に襲われる。東日本の壊滅という最悪の事態を避けるため、1、2号機当直長の伊崎利夫や吉田昌郎所長、そして現場の名も無き作業員たちが決死の覚悟で最善の策を求め続ける。監督・若松節朗 原作・門田隆将『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫刊) 脚本・前川洋一 出演・佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、安田成美、緒形直人、萩原聖人、中村ゆり、田口トモロヲ、篠井英介、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎 2020年3月6日(金)全国ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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