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新型コロナ、中国7万人の患者分析 致命率高齢で高く

7万人超のデータを分析

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

世界中を揺るがせている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、2月17日、これまでで最大規模となる7万人超の患者の分析データを中国疾病対策予防センター(中国CDC)が発表しました[注1]。新型コロナウイルスの感染が確定した患者の8割は軽症で、致命率(患者数に対する死亡者数の割合)は2.3%、死亡者の多くが60歳以上の患者か、併存疾患(心血管疾患、高血圧、糖尿病など)のある患者でした。

症状のない感染者を含む7万2314人のデータを分析

今回データを取りまとめたのは、中国CDCの新型コロナウイルス肺炎に対する緊急対応疫学チームです。同チームは、2020年2月11日までに中国で報告された、新型コロナウイルス感染症の確定例、疑い例、臨床診断例、無症状感染者あわせて7万2314人の特徴を分析しました。

中国では、新型コロナウイルス感染症が届け出義務のある感染症に指定されたため、全例が速やかにInfectious Disease Information Systemに報告されており、感染経路の調査も行われています。今回分析対象になった7万2314人の患者のうち、4万4672人(62%)が確定例で、1万6186人(22%)が疑い例、1万567人(15%)が臨床診断例、889人(1.2%)は無症候感染者でした。それぞれの定義は以下の通りです。

【確定例】:のどの奥から取った標本からコロナウイルスの遺伝子が検出された患者
【疑い例】:臨床症状と感染者との接触歴に基づいて診断された患者
【臨床診断例】:疑い例で肺の検査画像がコロナウイルスによる肺炎の特徴を示した患者(2月13日から湖北省でのみ用いられている定義)
【無症候感染者】:標本からウイルスの遺伝子が検出されたが、COVID-19の症状は1つも見られなかった患者

無症候感染者の発症日はウイルス陽性が確認された日とし、それ以外の患者については、本人が発熱または咳が出始めたと記憶している日を発症日としました。

患者の8割が30~60代で小児は少ない

確定例4 万4672人について、さらに詳しく分析しました。患者の年齢層の中心は30代~60代で、78%を占めていました。若年層の患者は少なく、10歳未満は0.9%、10代は1.2%、20代は8%にとどまりました。70代以上の高齢者は12%でした。男女比はほぼ同じ(51%が男性)でした。

確定例のうち、1023人が死亡しており、致命率は2.3%でした。10歳未満の子どもに死者はおらず、30代までの致命率も0.2%と低率でしたが、40歳以上では、年齢上昇と共に致命率も上昇し、60代で3.6%、70代では8%、80代以上では15%でした。

[注1]The Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team. The Epidemiological Characteristics of an Outbreak of 2019 Novel Coronavirus Diseases (COVID-19) - China, 2020[J]. China CDC Weekly 2020.

重症度は以下の3段階に分類しました。確定例のうち、軽症が81%を占め、重症は14%、重篤は5%でした。

【軽症】:肺炎ではない患者、または、軽症肺炎の患者 →81%
【重症】:呼吸困難、血液中の酸素レベルの低下や、肺の検査画像において肺炎の急速な進行が見られた患者など →14%
【重篤】:肺での呼吸がうまくいかない呼吸不全が発生、感染症による炎症が全身に及び低血圧が持続する敗血性ショックが発生、多臓器不全が発生 →5%

軽症と重症の患者に死亡はみられませんでしたが、重篤だった患者の致命率は非常に高く(49%)、ほぼ2人に1人が死亡していました。

併存疾患がなかった患者の致命率は0.9%で、併存疾患のある患者、特に心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)を抱えていた患者の致命率は10.5%と高くなっていました。

新規発症者の数は2月1日にピークを越えたが…

新型コロナウイルス感染症の流行は、たった30日で武漢市のある湖北省から中国全土に広がっていました。患者が湖北省外に初めて見つかったのは2020年1月19日で、2020年2月11日までに、中国国内の31省のすべて(1386県)で患者が報告されました。しかし、患者のほとんど(確定例の86%)は武漢市在住者、または発症前に武漢市を訪問していた人々でした。

縦軸を発症者数、横軸を自己申告された発症日として、7万2314人全員のデータをプロットし、流行曲線を描いたところ、発症者増加のピークは2月1日で、それ以降は1日あたりの発症者が減少していたことが明らかになりました。確定例についても同様に行ったところ、発症者増加のピークは1月23~26日で、それ以降2月11日にかけて低下していました。

研究チームはさらに、医療従事者(医師と看護師だけでなく、あらゆる医療施設の全従業員とした)の感染について、詳しく分析しました。医療従事者の確定例、疑い例、臨床診断例、無症状患者は、422施設に3019人報告され、うち1716人が確定例で、5人が死亡していました。致命率は0.3%でした。また、流行曲線における発症のピークは2月1日でした。

研究者たちは、多くの住民が、春節の長期休暇から戻って日常活動を再開したことから、「中国は国内での流行の再発に注意を払う必要がある」と述べています。

(図版制作:増田真一)

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2020年2月21日付記事を再構成]

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