きっかけは恐怖症克服 飛行機の窓から撮る地球の絶景

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

米ネバダ州、ラスベガス:窓から写真を撮るときは、ガラスの汚れや傷がなるべく写らないように、カメラの絞りを最大に開くとよいとコスト氏はアドバイスする(PHOTOGRAPH BY JULIEANNE KOST)

輝く地平線、どこまでも続く砂漠、広大な海原。多くの人が望む窓側の席では、飛行中、そんなうっとりする風景を楽しめることもある。

写真家のジュリアンヌ・コスト氏がそう気づいたのは、実は飛行恐怖症を克服しようと、飛行機の窓から写真を撮っているときだった。

高度9000メートルの空っぽな空間を眺める代わりに、眼下を流れる広大な風景に注目するようにしたのだ。コスト氏は、仕事のため年間200日以上旅をしており、絶景に遭遇する機会には事欠かない。

米カリフォルニア州、サンフランシスコ湾:コスト氏が飛行機の窓から撮った無加工の写真を見ていると、物の見方が変わり、自分もこれからはシェードを開けておこうという気になるだろう。これは微生物によって鮮やかに染まったサンフランシスコ湾の塩田(PHOTOGRAPH BY JULIEANNE KOST)

「カメラのレンズを通して世界を見ることで、恐怖心が和らぎました」とコスト氏は話す。「自分は見物人だ、この景色の中にいるのではなく、外から見ているのだと思えるようになりました」。

同氏が撮った写真を見れば、米国のバレーオブファイヤー州立公園の真っ赤な地層からアイスランドの色とりどりの山々まであり、まるで世界中を巡っている気分になれる。

「このような課題を自分に課すことで、創造性が刺激されます」と言うコスト氏。「新しいテーマを探求したり、自分自身を洞察したりできます。写真が大好きだと、何度も再確認しています」

米ユタ州、グレートソルト湖:グレートソルト湖は、塩分濃度が海の4~10倍もあり、浅瀬の温かな水にプカプカと浮いて楽しむことができる(PHOTOGRAPH BY JULIEANNE KOST)

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