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状況の変化に戸惑って、動かないこと自体がリスクになり得る(写真はイメージ)=PIXTA

状況の変化に戸惑って、動かないこと自体がリスクになり得る(写真はイメージ)=PIXTA

トヨタ自動車社長の「終身雇用を守っていくのは難しい」発言をきっかけに、産業界の雇用に変化が起きています。特に、工業化社会をけん引してきた製造業を中心に、新しいスキルに順応した人材を強化し、そうでない人を希望退職で送り出す「人材ポートフォリオの入れ替え」シナリオが見え隠れしています。この時代変化の中で働く個人がどう対応していくべきかを、今回は考えたいと思います。

2018年から多くの大企業が加速を始めた「黒字リストラ」は、40代以上を対象にした希望退職者募集という形で増加しています。リストラを進めている各社では、その一方で、ヘッドハンターなどを駆使して、IT(情報技術)やデータサイエンス分野のプロフェッショナルやグローバルなM&A・知財のスペシャリストなど、先端スキルを持った専門家の採用を強化しています。

この背景には、戦後から70年以上にわたって、製造業として巨大化した企業群が、新しい時代に本格的に対応するために脱皮を開始したための動きがあると言ってもいいのではないかと思います。事業そのものを変容させていくためには、必然的に社内の人材という資源も変化させていかなければいけません。それが、この早期退職のドミノ現象の背景にあります。

また、19年後半からは、消費税率引き上げを起点に景気減速が始まったと指摘されています。暖冬でモノの売れ行きが良くなかったところに新型肺炎も重なり、さらに経済循環に悪影響が起こり始めています。黒字リストラの波は、まだまだ序の口で、これから本番がやってくると考えられます。

「業績は悪くないはずなのに担当顧客の予算が毎年減少している。これだけ先が見えないと、会社に残ってたとえ出世したとしても、5年後にその状況が継続しているとは限らない。むしろ5歳年を取って転職市場で行き先が減ってしまうかもしれない」(43歳・広告代理店・営業管理職)

転職相談でお会いする方の中にも、現在の会社で、昇進できたとしても定年まで生き残れそうにない、だからといって簡単には動けない、とフリーズしてしまう人も少なくありません。

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