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相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「耳」を表すearにまつわる表現で誤解が生じた例を見てきましょう。

◇  ◇  ◇

ユウカとスティーブは2週間後に行われる予定だった新規クライアントでのプレゼンを任され、準備を進めてきました。ところが、先方から連絡が入り、先方の社長の長期出張が入ってしまったため、急遽明日プレゼンに来てくれないかとのリクエストを受けました。まだ準備途中だったのですが、この機を逃してしまうとしばらくチャンスはなさげだと判断し、翌日にプレゼンすることに決めた2人。実際どうするかについて話そうとしたしたのですが、2人の会話はすれ違います。

それはこんな会話でした。

Steve: We just got a call from the other team and were told to give our presentation tomorrow.
Yuka: What? We haven't even prepared everything yet.
Steve: Yeah, but it looks like their company president is going on a long trip soon.
Yuka: Okay, so if we don't do it tomorrow it will be a long while before we can.
Steve: I don't want to miss this chance.
Yuka: All right then, let's give it a try tomorrow?
Steve: Yeah, tomorrow we'll have to play it by ear.
Yuka: Do I need to prepare some sort of musical equipment?
Steve: No, we don't need any musical equipment.
Yuka: I can't play any musical instruments, but...
Steve: Neither can I.

日本語に置き換えてみると次のようになります。

スティーブ:先方から電話でプレゼン明日にしてくれって。
ユウカ:ええ? まだ資料できてないのに。
スティーブ:でも社長さんがしばらく長期出張に出ちゃうみたいだ。
ユウカ:じゃあ、明日会わないとだいぶ先になっちゃうってことね。
スティーブ:このチャンスは逃したくないよね。
ユウカ:じゃ、明日にする?
スティーブ:そうだね、明日は臨機応変にやるしかないか。
ユウカ:何か音楽機材を用意するってこと?
スティーブ:いや、機材はいらないよ。
ユウカ:私楽器は何もできないんだけど……。
スティーブ:俺もできないよ。

上記は、先方の希望により、急遽前倒しでプレゼンすることに決めたユウカとスティーブの会話です。状況からどうやら次の日にやるしかないと、2人の意見は一致しているようなのですが、スティーブのプレゼンに関するコメントがユウカにいまいち伝わっていない様子。スティーブのearを使った表現が誤解を招いてしまったようです。

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