2020/3/1

成長力の高い企業の将来を先買いし、値上がり益を得ようとするのは株式投資の醍醐味の一つだ。そうした銘柄を探すうえで注目すべきポイントをプロの運用者に聞いたところ、3つの視点が浮かび上がってきた。(表B)

1つ目は「技術力」だ。「技術力が高く製品などのシェアで首位にたつ企業は、たとえ市場自体が成熟していても成長余地がある」。三菱UFJ国際投信の中川雅嗣シニアファンドマネジャーはそう指摘する。

中川氏が評価する企業例が作業服販売チェーン最大手のワークマン。作業服で培った技術力を武器に女性や若者など向けプライベートブランド(PB=自主企画)衣料の品ぞろえを増やし、販売を伸ばしている。同社がPB展開に力を入れ始めたのをみて数年前に組み入れを始めた。

同氏が運用する投資信託「ジャパニーズ・ドリーム・オープン」での組み入れ比率は1月末時点でワークマンが最大となっている。作業服のように一見成熟した市場に身を置いていても「競争力のある事業領域を伸ばそうとしている企業には投資のチャンスがある」(中川氏)という。

技術活用に注目

2つ目は「変革力」だ。中小型株市場ではAIや5G、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」など最新技術そのものを開発したり製造したりする銘柄がよく脚光を浴びる。それだけに株価は一気に上昇するケースが多く、あわてて手を出すと結果的に高値づかみになりがちだ。

むしろ「最新技術をうまく経営に採り入れ、事業の効率化や拡大を加速させる企業にこそ投資妙味がある」。中小型株投信に投資助言する投資顧問、エンジェルジャパン・アセットマネジメントの内藤誠一執行役員は話す。