レバレッジ型投信、先物使い元手の数倍運用 リスクも

写真はイメージ=PIXTA
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投資信託を用いて運用を始めたいと思います。最近は「レバレッジ型」と呼ばれる投信が多いと聞きます。レバレッジとはどのような手法で、どんな効果があるのですか。

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レバレッジとはテコの力という意味です。小さな力で大きなモノを動かせるように、少ない資金でより多くの金額を運用する手法です。

レバレッジ型の投信としては基準価格の騰落率を2倍、3倍にする仕組みが知られます。例えば日経平均株価がその日に10%上昇した場合、その投信の基準価格が20%上がるように設計されています。少ない資金で高い利益を狙える半面、株価が下落すれば損失はより大きくなります。

最近では騰落率ではなく運用規模が2倍、3倍になるように設計された商品も増えています。一般的な投信が株式や債券などの現物資産に投じるのに対して、株式先物や債券先物を組み合わせて全体の運用規模を増やします。

先物は将来の売買を現時点で約束する取引です。日経平均先物や東証株価指数(TOPIX)先物、国債先物が代表例です。証拠金という「担保」を差し入れることで、その金額を大きく上回る規模の取引ができるのが特徴です。

先物に買いを入れた場合、期日までに反対売買(売り)するのが基本です。その時点で株価が上がっていれば利益、下がっていれば損失になります。テコの力を用いない通常の現物投資に比べて損益の規模は大きくなります。

先物を用いるレバレッジ型投信の一例が日興アセットマネジメント「グローバル3倍3分法ファンド」です(図)。2018年10月に設定され、決算頻度の異なる2本合計で現在6000億円を上回る残高になっています。

投資家から集めた資金の8割は海外株式などの現物資産に投じます。さらに残り2割の現金を証拠金として使い、TOPIX先物や国内外の国債先物を買います。先物運用の部分は現物部分に比べて2倍ほどとしており、全体としてはもともとの資金の3倍ほどの運用規模になります。

昨年10月に大和証券投資信託委託が倍率約3倍の「米国3倍4資産リスク分散ファンド」、同11月に楽天投信投資顧問が同3.6倍となる「楽天・米国レバレッジバランスファンド」を設定するなど、種類が増えています。

運用成績への影響は商品によります。先物運用の倍率が高ければ、その価格が上がったときに大きな利益、下がったときは大きな損失になります。実際の運用では特定資産に集中投資するのではなく、異なる種類の資産に分散してリスク軽減を図ることが多いですが、三菱アセット・ブレインズの吉田開ファンドアナリストは「先物価格の変動が成績に直結する点は押さえておきたい」と話しています。

[日本経済新聞朝刊2020年2月22日付]

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