定年シニアが得する習慣 投資も健康も「腹七分目」経済コラムニスト 大江英樹

投資の観点から言えば、私は60歳を過ぎてからの投資は「積極的にもうける」ことより「自分のお金の購買力を維持する」ことに重点を置くべきだと考えています。なぜなら年金のようにある程度物価や賃金にスライドするものとは違い、自分が保有しているお金は何もしなければ将来の物価上昇によって購買力が減少する可能性があるからです。

健康の場合も同様です。若い頃のようにひたすら体を鍛え抜くということよりも加齢に伴う衰えを受容しつつも全体的に自分の健康を良好な状態に維持することを目的とすべきだと思うのです。

過大な投資リスクは避け、一定程度の現金を持つ

であるとすれば投資に関しては自分の持っている資金をすべて投資して大胆にリスクを取るのではなく、余裕を持っておこなうべき、すなわち腹七分目という考え方が大切なのではないでしょうか。

もちろん健康に関しては一人ひとりの体質や生活スタイルなどが異なりますから、誰もがこうすべきだという絶対的な基準があるわけではないでしょう。同様に投資についても人によって金融資産の保有額やリスク耐性などが異なるため、一概に「これが絶対正しい」という方法があるわけではありません。ある程度の年齢になっても積極的にリスクを取ることができる人はいます。それは自分で判断すればいいのです。

ただ一般的な傾向を考えた場合、健康面では若い人に比べて活動量が少なくなりがちなシニア層は過剰な栄養摂取は避けた方が賢明でしょうし、金銭面で言えば老後に起こりうる様々なリスクを考えると、金融商品に過大な投資をすることは避け、一定額の現金を保有しておくのが適切な判断ではないでしょうか。

次回の「定年楽園への扉」は3月12日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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