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チリトマトに油揚 広がる異色素材ラーメン、お味は…

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NIKKEI STYLE

2020年に入り早2カ月。都内新店でラーメンをすするうち、あることに気が付いた。今年はこれまで、ラーメンにあまり用いられてこなかった「異素材」を駆使した1杯を提供する店舗が目立つのだ。ラーメンはほかの麺類と比べて圧倒的に多様性があるが、それがさらに顕著になるかもしれない。今回は今年オープンし、異素材を巧みに活用した都内3軒を紹介する。たまには、風変わりなラーメンを召し上がるのも、乙な選択肢ではないだろうか。

チリトマラーメンTHANK(サンク)

<トマト&ミートソース&山椒(さんしょう)。身体に優しい1杯>

1月24日、ベジポタラーメンの存在を世に知らしめた立役者として名高い大門の実力店「THANK(12年1月創業)」のセカンドブランドとして近所に誕生した「チリトマラーメンTHANK」。アスリートなど健康に気を遣う食べ手も、罪悪感を抱かずに気兼ねなくラーメンに舌鼓を打ってもらいたいという、田邉店主の思いを結実させた新店だ。

同店のコンセプトは身体に優しいラーメンを提供すること。ただ、田邉氏は当代きっての創作ラーメンの名手。「せっかく新しいラーメンを提供するのなら、ヘルシーなだけでなく、これまでになかった斬新な1杯にしたい」と、ラーメンとしては珍しい、チリトマトベースの1杯を開発した。

現在、提供する麺メニューは「チリトマラーメン」と「チリトマつけめん」の2種類。まず召し上がっていただきたいのは、基本メニューである「チリトマラーメン」だ。

トマト&鶏ベースのスープは口内の隅々にまで広がる香り豊かなトマトピューレが唾液腺からアミラーゼを噴出させる。新鮮なトマトを大量に使用することで、重厚なうま味が演出できている点も、高く評価できる。スープの土台を構成する鶏だしは1号店で創ったスープを流用。「1号店からほど近い場所に店舗を構えたのは、スープの搬入の便を考慮したもの」と笑う田邉店主。効率的にラーメンを提供する体制づくりもバッチリだ。

スパイシーミートソース、トマトラー油、山椒マー油といった、同店だけのオリジナルアイテムを巧みにラーメンに採り入れ、栄養価の高いスーパーフード「モリンガ」を配合した麺を用いるなど、随所に店主ならではの創意工夫が垣間見える点も、特筆に値する。とりわけ、鮮やかな緑色の麺は視覚的にもインパクト満点。紅いスープとの鮮やかなコントラストに、思わず視線がくぎ付けになる。

米国で誕生した「マンハッタン風クラムチャウダー」から着想を得たという、この1杯。是非一度、お試しあれ。

鴨出汁(かもだし)中華蕎麦(そば) 麺屋yoshiki

<今年上半期の新人王候補。天衣無縫の鴨づかい>

JR新小岩駅から歩くこと5分弱。細い路地沿いにたたずむ小料理屋のようにシックな外観が印象的な1軒のラーメン店。それが、今回ご紹介する「麺屋yoshiki」だ。

同店の店主・阿部氏は東京を代表する名門「一燈」グループで研さんに励み、満を持して独立した実力派。

「店を持った暁には、『鴨』を主役に据えたラーメンを作ろうと決めていました。浅草橋の名店『くろき(きは森の形に七が3つ)』で、初めて鴨のラーメンをいただいたとき、あまりのおいしさに感動。それからはもう鴨ひと筋です」。鴨に魅せられ、鴨と共に生きる。そんな店主の決意は、堂々と素材名を明記した屋号にも体現されている。 

同店の基本メニューは、「鴨出汁醤油(しょうゆ)そば」と「鴨出汁塩そば」の2種類。

いずれも、透明感のあるスープに麺だけを泳がせる、「かけラーメン」スタイル。トッピングは、別皿で提供される。ラーメンの主役は麺とスープで、まずはW主役の競演を満喫してほしいという考え方に基づくものだ。理由はそれだけではない。トッピングを盛り付けている間に、麺が伸びスープの温度が下がってしまうことを避けたかったのだという。

店主が全力を傾注するそんなスープのだしは主役である岩手県産のカモのみならず、香味野菜、昆布、煮干しを寸胴に投入し、数時間かけて丁寧に炊き上げたもの。幾種類もの素材の風味が広がり舌上で生き生きと躍動する、フルボディーの味わい。

「しょうゆは鴨だしと、しょうゆの双方が並び立ち、しのぎを削り合うイメージで創りました。他方、塩は、だし感を前面へと押し出すことに注力。だしのうま味に幅を持たせるため、鴨に貝を寄り添わせ、だしの風味を支えるタレにも魚介エキスを溶かし込みました」。しょうゆには、強烈なけん引力を持ったスープに競り負けぬよう、手もみした太平打ち麺を合わせ、塩にはだしの風味を生かすべく、しなやかな細麺を合わせる。

オープンしたばかりの新店でありながら「醤油そば」と「塩そば」とで、趣を全く異にする味わいを演出することに成功し、かつ、いずれも作り手の顔が見える1杯となっている。店内に居合わせたほかの客の様子を見ても皆、スープまで完飲していた。同店が今年上半期の新人王候補の一角に位置付けられることは、疑いようがない。

中華蕎麦(そば)きつね

<さん然と輝く油揚げ。「きつねうどん」へのオマージュ>

京王電鉄京王線で、各駅停車しか停車せず「いぶし銀」的な存在感を放っているのが、芦花公園駅。周辺エリアは高級住宅地として知られ、緑豊かな自然が残る閑静な生活環境も大きな魅力のひとつ。そんな同地に、20年1月31日にオープンした新店が、「中華蕎麦きつね」だ。

ロケーションは芦花公園駅の出口から50メートル弱。私が訪問した時も、電車が停車する度に、大勢の客が店舗ののれんをくぐっていた。

現在、同店が提供する麺メニューは「中華蕎麦」と「濃厚中華蕎麦」の2種類。

屋号の「きつね」が示すとおり、「中華蕎麦」「濃厚中華蕎麦」ともに、トッピングとして巨大な油揚げが搭載される。ラーメンに油揚げ。なかなか思い付かない斬新な発想だ。

いずれのメニューの完成度も、オープン直後の新店とは思えないほど高いが、特におススメしたいのが、舌がとろけるような油揚げの甘みがスープと絶好の相性を示す「中華蕎麦」。

あらかじめ提供したい理想の味のイメージを思い描き、そのイメージに近付けるため、試作を重ねて完成させた1杯は個々の素材の突出を極力回避。だしを構成する各種素材の魅力を平等に引き出し、仲良く共存させることで、単独の素材からでは成し得ない、地に足が付いた「うま味の塊」を表現することに成功した。

スープの味わいが油揚げの甘みを巧みに引き立てている点も、特筆に値する。「スープが甘過ぎると、せっかくの油揚げの甘みがマスキングされてしまう。そうならないよう、うま味成分だけを重点的に抽出しました」という。

レンゲを手繰り、スープをズズっとすすれば、動物系素材の重厚なコクと節の艶やかな香味とが、磁石のN極とS極のように、ピタリと寄り添い一体化。うま味を知覚した瞬間、立て続けに味蕾(みらい)を強襲する昆布の滋味の塩梅(あんばい)も的確無比。味覚中枢のど真ん中をズバンと射抜く。

ジュワっと甘汁がほとばしる油揚げをほお張れば、湧き上がる幸福感。気が付けば、スープの一滴すら残さず完食してしまっていた。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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