Men's Fashion

ビジネス小物で信頼感アップ 名刺入れ・財布の選び方

できる男のスタンダード講座

プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

2020.2.27

季節は少しずつ春に近づいています。春や秋は、服の新調や買い替えをする人が多いシーズンです。特に春は、仕事の上での役職や役割にも変化が訪れやすいタイミングなので、そんな変化に合わせて、あなたも着るもののグレードアップを考えているかもしれません。ただ、そんなときは服だけでなく「小物」についても「グレードアップ」を考えたいですね。




とりわけ、ある程度の肩書を持つ方は、衣服だけでなく名刺入れなどのビジネスグッズは周囲から結構見られています。役割や役職に見合わないデザインやブランドだったり、いいものでもくたびれ具合が激しいものを身につけていたりすると、知らないうちにイメージダウンとなり、内外から信頼感や期待感を損なうことにもなりかねません。今お使いのもの、どれくらいの間使っていますか? それは、あなたにふさわしいデザインやブランドですか? 春こそ見直してみましょう。今回は登場が多い名刺入れ、財布、ビジネスバッグを考えます。

名刺入れは人となりをあらわす

「成功したければ、成功者の服を着ろ」ということわざがあります。これは「いつか成功したら、ではなく、先に成功者らしい風格を身につけるようにしたほうがかえって成功が早くなる」という意味の言葉ですが、ビジネスグッズも同じことが言えます。

中でも、ビジネスでまず最初に登場する「名刺入れ」は非常に重要なものです。日本での「名刺交換」は初対面の大切な儀式のようなもの。誰でも取り出した瞬間に、つい目が行きます。ある程度の肩書がある人は、いちばん気を使うべき小物です。

ビジネスでまず最初に登場する「名刺入れ」は、いちばん気を使うべき小物(写真はイメージ)=PIXTA

こんなとき、非常に残念な名刺入れの例として、過去「革製品をどう選ぶ? 第一印象を左右する名刺入れ」という記事で、このような点をあげました。

・革ではない

・くたびれて、角も擦り切れたもの

・味が出過ぎたレザーで、他人から見ると「汚い」としか思えない

・自分の名刺も他人の名刺も入れすぎてパンパン

・これみよがしな有名ブランド品

あなたの名刺入れが上記のどれか一つでも該当するなら、名刺交換のたびにイメージダウンしているのは確実。名刺入れの買い替えはマストです。スポーツの世界などでは「道具選びも実力のうち」とよく言われますが、ビジネスの最初の段階で人目にふれる名刺入れのようなものに対して気を使えなければ、仕事への姿勢や実力が疑われても仕方がありません。

上記には該当しないものを使っているという方も、何らかの肩書をお持ちであれば、ご自身の「格」「風格」を適切に表せるものであることに気を配るべきです。下記の点には気をつけてください。

◆カジュアルのイメージが強いブランドのものではないか

有名ブランドのものであっても、ジーンズが有名だったり、アウトドア用などで丈夫さや堅牢(けんろう)さで評価が高いブランドなどは、ブランドイメージだけでビジネススーツのイメージに合わないことがあります。ふだんからカジュアルなスタイルが多い仕事なら問題ありませんが、スーツのほうが多めであれば、いたずらにイメージギャップを生まないブランドをセレクトしたほうがいいでしょう。

◆若者向けブランドのものではないか

20~30代前半くらいの人に向けたブランドは、価格も手ごろでデザインも無難なものが多いため、「ちょうどいい」と選んでしまう人はけっこう多いようです。しかし、肩書がついて、落ち着きがほしい年齢層の方がうっかり持っていると、やはりイメージギャップが強すぎます。

◆逆にエレガントすぎるブランドのものではないか

メンズスタイルやスーツ、男性の皮革製品を連想させるブランドであれば、肩書のある男性にはだいたいふさわしいイメージを持つブランドであることが多いものです。しかし、高級婦人服からスタートしたハイブランド(超高級ブランド)は、非常にエレガントなイメージが強いことから、その人の雰囲気や肩書または年齢によっては、ちぐはぐ感が出てしまうことがあります。

◆汚れが残りやすい革、手入れが難しい革ではないか

男性の小物は経年変化による「味わい」が醍醐味の革製品も多いです。しかし、手や指の脂が移りやすい革や水や汗に弱い革、また自然な油分などが浮いてきやすい革などは、毎日変わらない清潔感をキープしたい名刺入れとしてはおすすめできません。

◆軽い色合いではないか

ある程度キャリアを積んだビジネスパーソンにおすすめする革小物、とくに名刺入れやステイショナリーに関しては、基本の色は「黒」です。黒でない場合でも黒に近いダークな色をおすすめします。ダークな色合いのほうが、重みや上質感を帯びやすいからです。明るいブラウンやキャメルなどは、どうしても軽い印象になりますので、若い方かカジュアルスタイルのほうが多い方以外はやめておいたほうがいいでしょう。