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新型コロナの危険度 インフルやエボラと比べると…

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ナショナルジオグラフィック日本版

中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、他の感染症ウイルスよりも危険なのだろうか? おそらく多くの人が気にしていることだろう。

感染症が流行するたびに、こうした話題が持ち上がるのも無理はない。衛生当局も一般市民も、公衆への総合的なリスクに基づいて自らの優先順位を決定する。例えば、世界保健機関(WHO)は2月5日、流行発生からわずか1カ月余りの新型コロナウイルス対策に、6億7500万ドル(約740億円)を支出する計画を立ち上げたと発表し、加盟国に資金援助を要請した。それに対して、2018年8月からアフリカ中央部で猛威を振るっているエボラ熱の対策費用に関しては、WHOが加盟国から集めた金額は、この3分の1ほどだ。

症状の重さや社会的・経済的な影響も勘案

こうした感染症の危険度を互いに比較するには、複雑な計算が必要だ。感染のしやすさ、致死率、症状の重さ、地域の封鎖に伴う社会的・経済的な影響の大きさなどを勘案することになるからだ。

単純に致死率を比較するだけでは、どれが最悪の感染症かを判断しがたい場合もある。例えばインフルエンザは、従来型のものであれH1N1のような新型のものであれ、感染者は何百万人にも上りうるが、死亡に至る割合は比較的低く、そのうち0.1%ほどだ。対して、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、そして今回の新型コロナウイルス感染症「COVID-19」は、致死率の点でははるかに深刻だ。ただし、SARSは致死率が10%ほどに上ったが、感染が確認されたのはわずか8000例ほどだった。

現時点で、新型コロナウイルスの感染者数はSARSを大きく上回っている。そのうち死亡に至るのは2%ほどだ。致死率でいえばインフルエンザの20倍ほどということになる。新型ウイルスの脅威は早期に終息するだろうと予測する科学者もいる一方、中東で2012年から流行が続いているMERSではそうなっていない。

もし新型コロナウイルスの感染が何百万人という単位に拡大すると、非常に危険な事態になる恐れがある。インフルエンザと違い、新型コロナウイルスのワクチンや特効薬はまだない。ただし、抗HIV薬「ロピナビル」と「リトナビル」を混合投与する治療法の臨床試験が、うまくいけば1カ月以内に完了するだろうと、WHOの健康危機管理プログラムで技術リーダーを務めるマリア・ファン・ケルクホーフェ氏は記者会見で付け加えた。氏はMERSの流行対策にも取り組んだ感染症疫学者だ。

SARSによる中国の経済損失は400億ドル

今はまだ、新型コロナウイルスの感染がどこまで広がるかは予断を許さない。だからこそ、検疫や感染者の移動制限に重点が置かれている。

過酷で古臭いと思われるかもしれないが、今でも検疫は、感染拡大を抑え込むのに最も有効な方法の1つだ。WHOはSARSの終息を検疫と隔離の成果だとしている。コロナウイルスはインフルエンザと同じく、感染者の近くにいることで伝染するため、他者と物理的に距離を置くことは、それなりに理にかなっている。

その効果は、検疫や隔離の状況で異なる。研究によると、病院での患者の隔離は費用対効果が高いが、自宅での隔離や、対人距離の確保、そして移動制限は、低・中所得国においてさえ経済へのダメージが大きい。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、中国は2009年のH1N1型インフルエンザの流行で550億ドル、SARSの流行で400億ドルの経済損失を被ったという。また、これらの厳格な対策によって、例えば感染者が病院に行くことを妨げられるなどすれば、流行の実態や社会的・経済的なコストを把握しにくくなるという難点もある。

新型コロナウイルス対策には、人から人への感染防止と、感染者の早期の特定と隔離を優先すべきだとファン・ケルクホーフェ氏は強調する。また現在、治療は症状の重さに応じて行われているが、最悪のケースでは病院での酸素吸入、人工呼吸器の使用、蘇生処置などが必要だという。

「世界中の臨床専門家たちが、新型コロナウイルス感染症の治療方法を向上させるのに必要な研究について話し合うことになっています」と、2月11~12日に開かれた会合について氏は述べる。「病院で最適な治療が行われるよう、WHOは加盟国や関係者の皆さんと協力していくことが大切です」

(文 Nsikan Akpan and Kennedy Elliott、訳 桜木敬子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年2月12日付]

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