低用量ピルで「心の怪獣」退治 更年期を乗り越える

日経ARIA

2020/2/29

「地獄」から救ってくれた低用量ピルとの出合い

そんな「地獄」とも言える状態から救ってくれたのは、仕事でもお世話になっている婦人科医で「よしの女性診療所」の院長、吉野一枝先生でした。たまたま先生のご自宅に伺った際、ホットフラッシュの症状が出た私を見て、「葉石さん、それは更年期かもしれないよ。一度クリニックへいらっしゃい」と声をかけてもらいました。その数週間後、看護師の友人と共にクリニックの門をくぐったのです。

血液検査の結果で先生の見立て通り、更年期であることが判明。低用量ピルを処方していただきました。正直、ピルを飲むことに不安はありましたが、それよりも長年苦しんでいた症状の原因が分かったこと、心の猛獣をようやく退治できる喜びのほうが大きかったですね。

ピルを飲み始めて2週間後には、ウソのようにホットフラッシュの症状が改善されました。生理前に特にひどかった感情のアップダウンもなくなり、凪(なぎ)の湖面のように心が穏やかに。そう、あれほど手を焼いていた猛獣がやっと心から出て行ったのです。さらには吹き出物ばかりできていた肌の調子もすこぶる良くなり、重たかった生理も驚くほど軽くなったことも、心底ありがたいと思いました。

「浮気でもしているのは?」という疑心暗鬼も霧消

別れ話を繰り返していた夫との仲も、すっかり元通り。更年期の症状がひどかったときは、離れて暮らす不安がストレスとなり、連絡が少しでも遅いと「浮気でもしているのでは?」と疑心暗鬼になっていましたが、症状が改善された途端、つきものが落ちたようにまったく気にならなくなりました。

またこれを機に、これまで失敗を重ねてきたメールやスカイプでのやり取りを反省し、「大切な話は会ったときにする」とルールを決めました。離れている間の個々の時間も大切にできる上に仕事もはかどる。大きなけんかはまず、なくなりました。「メールや電話の数=愛情の深さ」ではないんですよね。「離れているんだから、コミュニケーションを必要以上に取らなくちゃ」と、勝手に義務化していたのかもしれません。今は最低限の連絡しかしませんが、その分、会ったときにはより会話が弾むようになりました。

そして更年期の症状が落ち着いたころ、初めて夫に「女性の更年期がいかにつらいか」を話すことができました。吉野先生からも夫に更年期について話をしてもらい、だいぶ理解してもらえるようになりました。

たくさんの失敗を通して感じたのは、「更年期による症状について夫婦できちんと共有しておくことが大切」だということ。特に毎日顔を合わせるわけではないデュアルライフを送る夫婦にはマストですね。

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