男性経営陣が育休を取得 変わり始める会社と社員

2020/2/25
写真はイメージ=PIXTA
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小泉進次郎環境相の育休取得で、リーダーの育休に注目が集まっている。育休制度の対象外である企業の社長や役員が取得するには、株主や関係者の納得を得ることが不可欠だ。必要な工夫や準備、取得の効果は何か。男性経営層の事例で検証した。

スマートフォンゲーム開発モバイルファクトリーの創業社長、宮嶌裕二さん(48)は3人目の子供が生まれた2017年、2カ月間の育休を取得した。第1子の誕生時は2週間の育休をとったものの、第2子のときは取れなかったという。妻が里帰り出産したのに加え、「上場のタイミングに重なり、株主からの批判が怖かった」と振り返る。

会社の業績は上場以来順調に向上しており、第3子誕生時は「自身が育休を取っても屋台骨が揺るがないことを示せる」と考えた。

育休取得を公表すると個人投資家から「会社は大丈夫なのか」と電話があった。インターネット上では様々な批判を書き込まれた。それでも、業績を伸ばし続けてきた自信から「取得の決意は揺るがなかった」。育休中は月1回の取締役会のみ出席した。自身が参加しなかった会議で「普段しゃべらない社員が積極的に発言する」と報告を受けるなど、社内を活性化する効果を実感した。

「子供が生まれるまで、こんなに子煩悩になるとは思わなかった」という宮嶌さんはモーレツな仕事ぶりを改め、育児に積極的に関わるようになった。トップが育休を取ったことで男性社員も後に続き、助け合いや業務の効率化などが広がったことで業績に好影響が出ていると胸を張る。

男性社員の育休を義務化した積水ハウスでは、制度化にあたり年配の役員から反対意見が出たという。「根拠があるわけではなく、男性は会社で働くべきだという先入観によるところが大きい」(仲井嘉浩社長)。経営層の育休となると風当たりはさらに強い。

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