名門東海の男子歌劇団、名物「カヅラカタ」の本気度東海中学・高校(下) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

2019年11月24日の公演の演目は「スカーレットピンパーネル」=東海中学校・高等学校提供
2019年11月24日の公演の演目は「スカーレットピンパーネル」=東海中学校・高等学校提供
「東海最強の進学校」とされる東海中学校・高等学校(名古屋市)の演劇部はユニークだ。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、その活動ぶりを紹介する。

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2012年にはテレビドラマ化

愛知県名古屋市にある全国屈指の進学校・東海中学校・高等学校(以下、東海)にはかなり変わった部活がある。クラブ名としては「演劇部」。どこにでもある。しかし活動内容が普通じゃない。宝塚歌劇団のパロディーなのだ。ちなみに東海は男子校である。つまり演じるのは全員男子。だから「タカラヅカ」歌劇団を逆読みして「カヅラカタ」歌劇団と呼ばれている。

男子高校生がアーティスティックスイミング(かつてのシンクロナイズドスイミング)に挑戦する実話をもとにした映画「ウォーターボーイズ」に触発され、2002年の文化祭実行委員長が文化祭を盛り上げるウケ狙いの企画として考案したのが始まり。ただし「やるからにはまじめに、本気に」がモットー。

のちに正式に部活となり、いまでは文化祭から独立して年2回、1日2回の公演が行われるまでに成長。名古屋を中心に大きな話題となり、2012年には「ハイスクール歌劇団☆男組」としてテレビドラマ化もされている。本家宝塚歌劇団のトップスターや劇作家が公演を見に来てくれたことも、元宝塚歌劇団のメンバーから直接ダンスの指導を受けたこともある。

国の登録有形文化財に指定されている講堂

同校オーケストラ部が生演奏を担当する。舞台照明や音響は名古屋工学院専門学校の学生がボランティアで協力してくれている。まさにプロ仕様の舞台が用意されるのだ。衣装は「すみれ会」という保護者の有志団体が、貸衣装屋さんから譲り受けた衣装を男性用にリフォームしてくれている。メークは基本的に生徒が自ら行い、仕上げのみ専門家が手伝ってくれる。

会場となる同校の講堂の座席数は1350人。混乱を避けるため、完全座席指定制だ。チケットの販売についても生徒たちがしくみを考えた。毎年座席数の何倍もの申し込みがあり、抽選になる。講堂での指定席がとれなかった観客のために、舞台上の映像を生中継で見られる別室も用意される。

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