「本当に医学部でいいか」 名門東海は生徒を迷わせる東海中学・高校(中) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

外部模試は一切行わない

学校として医学部進学のノウハウでもあるのか。

「医学部受験のための特別な勉強なんて学校ではやっていません。ごく普通の勉強をしているだけです」と西形さんは言う。

定期試験のほかに、高1までは年2回の「実力テスト」を実施する。高2では年3回。高3では年4回の「校内模試」が行われる。業者による外部模試は一切行わず、すべて教員が作問する。教員が自らつくるからこそ、生徒のできを肌感覚で感じとり、その後の指導に生かせるのだという。

高2以降は文系・理系のクラス分けになる。例年、理系が8クラス、文系が2クラスできることが多い。さらに実力テストの成績に定期試験の成績を加味してA群・B群に分ける。B群は比較的少人数クラス構成になり、さらに英語に関しては授業のレベルを自己申告で選択できる。A群が上位クラスだが、B群の生徒たちに手厚いのだ。

高3の夏休みには希望者を対象にした夏期講習が10日間実施される。参加費2500円で好きな講座が受け放題になるしくみだ。それ以外に学校による強制的な補講は一切やっていない。ただし通塾率は高い。また、生徒たちからの個別の要請に応じた随時の補講はたびたび行われている。

「私は日本史を教えていますが、センター試験が終わってからの約1カ月間は論述式問題の採点を大量に依頼されます。最近はメールを利用して24時間体制で対応しています。働き方としてはよろしくありませんが、せっかく生徒が頼りにしてくれているわけですから、入試直前くらいは勤倹誠実にやろうと思ってます(笑)」(西形さん)

本当に医学部でいいのか迷わせる

医学部を勧めるなんてことも一切していない。

「だって定員が100人しかない名古屋大医学部に、うちの学校からヘタすれば100人以上が受けていますよ。効率よく合格実績を出そうとしていたらそんなことにはならないでしょう」(西形さん)

ただし、高1の「総合学習」の時間で病院実習を行ったり、「サタデープログラム」と呼ばれる名物イベントで医学関係者を講師として招いたり、「ようこそ先輩」という行事で医師として活躍するOBの話を聞いたりはする。

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