色合わせを選ばない万能性はグレースーツの魅力の1つだが、せっかくのポテンシャルを埋もれたままにしていないだろうか。洒落者は、グレーという色の活かし方を心得ている。そして彼らが今季、最も注目するホットなグレーの配色が、旬色ピンクとの「ピングレ」なのだ。
ピンクを着るのに抵抗がある男性もいらっしゃるかもしれないが、シップス メンズ ドレス MD 秋山さんは「スモーキーなピンクなら派手にも映りませんし、採り入れやすいです。雰囲気も柔らかく、誰からも好印象を持たれる配色なのではないでしょうか」と話す。実際、グレースーツに何かしらのピンクを合わせた装いには、フランクな印象が滲む。それでいてきちんと品位も感じさせるのは、グレースーツの額縁があってこそ。グレーの落ち着きとピンクの華やかさ、その双方が、双方の個性を魅力として引き立て合うのである。
旬をさらりと表現できるとともに、春らしい季節感を演出できるのも「ピングレ」が洒落者に愛される由縁。様々なアイテムにピンクが見られる今季は、ニットでこれを差すもよし。ポロシャツで差すもよし。華やかな小物と合わせて、さらなる洒脱を狙うもよし。いつものグレースーツを新鮮に変える特効薬として、至急活用されたし。
( Style Master )
秋山智春さん/シップス メンズ ドレス MD
ピンクは今季、様々なアイテムに見られるキーカラー。ピンクのシャツには、華やかさが活きるスカーフとの合わせが気分ですね。
“ピンク”なクルーニット
■SOVEREIGN(ソブリン)
ソブリンのスポーツラインから登場した、シンプルなクルーネックニット。スモーキーピンクの美しい発色とともに特筆すべきは、コットンへわずかにカシミアをブレンドした編地が持つ、なめらかな肌触り。見た目の上質感も申し分ない。 1万6000円(ザ ソブリンハウス)
ピンクニットにタブカラーシャツをノータイでIN。スカーフを添える
【 解説 】本来タイをするためのタブカラーシャツにスカーフを添えてこのように使うのはじつは’80sフレンチトラッドの技。スカーフをすることで、“計算して外している”ことが洒落者には伝わり、一目置かれるだろう。スモーキーピンクの色合いもフレンチの薫りがするため好相性だ。