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NIKKEI STYLE キャリア
プロ経営者 松本晃の流儀

2020/2/29

プロ経営者 松本晃の流儀

そんな経緯で、6月24日の株主総会を経てRIZAPの代表取締役最高執行責任者(COO)に就任しました。入ってから取締役を退くまでの1年間、瀬戸さんにいろいろと厳しいことを言い続けました。いわばガミガミ親父(おやじ)の役をやったわけです。瀬戸さんは真面目で素直なので、ちゃんと話は聞いてくれました。ただ、CEOとしてそれを実行するかどうか決断するまでには、さまざまな葛藤や逡巡(しゅんじゅん)があったと思います。僕と他の人との板挟みに悩んだこともあったかもしれません。

1年間務めた「ガミガミ親父」役

2018年11月、RIZAPグループの代表取締役最高執行責任者(COO)として決算説明に臨んだ松本晃氏(右)と瀬戸健社長(東京都港区)

たとえば、僕が入った当時のRIZAPは経営戦略としてM&A(合併・買収)を積極果敢に進めていました。僕はそれにちょっと違和感を覚え、「ここはいったん立ち止まったほうがいい。とりあえず新たなM&Aはいったん凍結しましょう」と提案しました。役員会などでいろいろ意見が出ましたが、最終的に聞き入れてくれました。

新参者がガミガミ親父を長く続けると、嫌われ役ではなく本当に嫌われます。だからガミガミ役は1年限りにし、あとは親戚の優しいおじさんになろうと決めました。そのためには役職も降りたほうがいい。そう思って19年6月に取締役を辞任し、特別顧問に就任したんです。瀬戸さんとは月に1回しか会いませんが、メールで連絡を取り合っていますし、この部分はこうしたほうがいいよとか、ストレートにいろいろと言っていますよ。

RIZAPの取締役を辞めた同じ月の11日、ラディクールジャパンの設立会見を開きました。ラディクールというのは中国の会社で、放射冷却技術を応用したフィルム素材を開発し、販売しています。その製品を日本で販売するのがラディクールジャパンです。僕はその会社の会長兼CEOになったんです。

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