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海外で日本人醸す メード・バイ・ジャパニーズワイン

エンジョイ・ワイン(23)

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NIKKEI STYLE

先日の米アカデミー賞で、米国在住の日本出身アーティストがメーキャップ・ヘアスタイリング賞を受賞するなど、日本を飛び出し海外で活躍する例が様々な分野で目立っている。ワインの世界でも、海外の銘醸地でワイン造りに挑み高評価を得る日本人醸造家が増えてきた。経歴も多様で、ワインの魅力の一つである「造り手のストーリー」にも満ちあふれている。そんな「メード・バイ・ジャパニーズ・ワイン」を紹介する。

1月のある週末、東京都内のイタリア料理店で生産者と話をしながら、その生産者の造ったワインを楽しむ「メーカーズ・ランチ」が、20人ほどのワイン愛好家を集めて開かれた。醸造家の一人として話をしたのが大木和子さん。イタリア・トスカーナ州の小都市カッラーラにあるワイナリー「カンティーナ大木」のオーナーで醸造家だ。

大木さんは彫刻家だった夫と結婚3年で死別した後、亡き夫の作品集を作ろうと、夫婦縁(ゆかり)の地カッラーラに舞い戻った。民宿を営みながら、自家用ワインを造っていたが、そのうち「イタリアの食文化を象徴するワインにもっと本格的にかかわりたい」と思うようになり、10年にブドウの木を植え替え、醸造施設も本格的なものに改装した。

カッラーラは大理石で有名で、ワイナリーの近くには石灰岩の山が真っ白い地肌をさらけ出してそびえたつ。フランスのシャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方など、銘醸地と言われるワイン産地は石灰土壌が多い。地中海に面し、温暖で雨の少ない気候も理想的。恵まれた自然条件の中で、大木さんは仲間の助けを借りながら、ワイン造りに励んでいる。

メーカーズ・ランチで試飲した大木さんのワインの中で特に印象に残ったのは、北イタリアの人気品種ヴェルメンティーノと仏ローヌ地方の有名品種ヴィオニエを混醸して造る白ワインの「マルモル・ラクリマ2017」(ワイナリー小売価格6600円、税込み)。洋ナシや熟したリンゴのような果実の香りと豊かで透明感のある酸、さらにはミネラル感のバランスが秀逸で、パスタや魚料理とぜひ合わせたい1本だ。

フランスでワイン造りをしている日本人も多い。02年、ロワール地方のトゥーレーヌでワイナリー「ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ」を立ち上げた新井順子さんもその一人。東京都内でワイン教室やレストランを経営していたが、「ロワールの畑を買わないか」という誘いに飛びつき、日本でのビジネスをたたんで渡仏した。初めのころは、ブドウの実を野生の鹿に食べつくされたり、洪水で樽(たる)ごとワインを流されたりとハプニング続きだったが、めげずにワインを造り続けた。

ロワール地方は有機栽培ブドウを使い一般的な培養酵母ではなく天然酵母で発酵させた、飲み心地のよい「ナチュラルワイン」の産地として有名で、新井さんの造るワインもナチュラルワインだ。ナチュラルワインの世界的名手セバスチャン・リフォーとのコラボワイン「セバスチャン・リフォー サンセール ヴィニフィエ パー ジュンコ・アライ2015」(輸入業者参考小売価格5000円、税別)を出すなど、実力はフランスでも高く評価されている。

フランスには他に、ブルゴーニュ地方でワイン造りを続け、「ルー・デュモン」ブランドで日本でも有名な仲田晃司さんらがいる。

米カリフォルニア州で、「ノリア」のブランドでワイン造りをしているのは中村倫久さんだ。慶応大学経済学部を卒業し大手ホテルチェーンに就職した中村さん。赴任先のサンフランシスコで本場のカリフォルニアワインのすばらしさを知り、醸造家になることを決意。退職して醸造学で有名なカリフォルニア大学デービス校に入学し、卒業後はナパバレーのワイナリーなどで経験を積みながら、10年に自前のワイナリー「ナカムラセラーズ」を立ち上げた。

「ノリア ピノ・ノワール サンジャコモ・ヴィンヤード2018」(輸入業者希望小売価格5800円、税別)など、ナパバレーと並ぶ高級ワイン産地、ソノマコーストのえりすぐりの畑から買い入れたブドウで造るピノ・ノワールやシャルドネは力強さとエレガントさを兼ね備え、ソノマの風土をよく体現している。

ニュージーランドには日本人の醸造家が特に多い。「南半球のブルゴーニュ」とも呼ばれるほど高品質のブドウが育つのに加え、住みやすさや起業のしやすさが理由のようだ。

その中の一人、小山浩平さんは東京大学法学部を卒業し金融機関に就職。ロンドンで働いていた時にワインの魅力にとりつかれ、11年に家族と一緒にニュージーランドに渡った。現地の大学で栽培・醸造学を学び、カリフォルニアなどのワイナリーで経験を積んだ後、南島の最北端に位置するネルソン地区にワイナリーを開いた。

現在は自らのワイナリー「グリーンソングス」でワイン造りを続けているほか、18年には鹿児島県の老舗焼酎メーカー、西酒造がニュージーランドに所有するワイナリー「グラッドストーン・アーラー・ワイナリー」の栽培醸造総責任者に就くなど、活躍の場を広げている。

グリーンソングスでは、ニュージーランドを代表するブドウ品種であるソーヴィニヨン・ブランのほか、シャルドネ、リースリング、ピノ・ノワールなど多様な品種からワインを造っている。いずれも、土地の気候を反映した清涼感を感じる味わいで、値段も「グリーンソングス アタマイ ソーヴィニヨン・ブラン2018」が輸入業者希望小売価格で3300円(税別)など、比較的手ごろだ。

ニュージーランド南島の最南端に位置するセントラル・オタゴ地区で、夫婦そろって醸造家として活躍しているのは、佐藤嘉晃・恭子夫妻だ。共に元銀行員。転勤先のロンドンでワインを楽しむうちに、いつしか自分たちのワインを造りたいと思うようになり、退職し、06年にニュージーランドに移住。現地の大学で醸造学を学び、09年に「サトウ・ワインズ」を設立した。

セントラル・オタゴは世界で最も南極に近いワイン産地として知られるが、内陸に位置するため夏場は暑く乾燥し、果実の凝縮感の強いピノ・ノワールが生まれる。サトウ・ワインズのブドウは有機栽培か、あるいはさらに厳格なバイオダイナミック農法で、醸造は天然酵母を使い、亜硫酸塩はほとんど添加しないナチュラルワインだ。「サトウ ピノ・ノワール ランソリット 2016」(輸入業者希望小売価格9800円、税別)など値段は高めだが、ファンが多く、常に品薄の状態だ。

(ライター 猪瀬聖)

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