日本生まれ「街着」ノースフェイス 本家しのぐ人気にノースフェイスの魅力を探る(上)

――マウンテンパーカのジッパーの金具にはTALONとあります。

石津「昔はジッパーも日本製品が追い付いていないから、圧倒的にTALONが使われていました。そうか、ジッパーはTALONを使っているんだ。それにしても、うちの事務所(表参道)の前の通りを見てもノースフェイスを着ている男性が多くてびっくりしますよ。ロゴマークがあるからすぐ分かるわけ」

マウンテンパーカに採用されているジッパーには「TALON」とある

外国客から世界で販売してほしいという要望も

――爆発的な人気となったのには何かきっかけがあるのですか。

高梨「入社して10年になりますが、その間ずっと2ケタ成長を続けていて、この3年の伸び率は特に大きいですね。スタッフは10年前は20人くらいだったのが100人を超えるまでになりました」

「世界的にみて日本のノースフェイスが一番成功している最大の理由は、日本独自のチューニングがうまくいっていることです。ファッションの要素をしっかり取り入れているのが強みで、これが最近の『ファッション×スポーツ』のトレンドにちょうどはまったという事情があります。またここ数年、90年代のアウトドアウエアやスポーツウエアが注目されるなかで、当社の復刻版商品も人気を集めました。本来、当社の商品は契約上、日本でしか販売できませんが、外国のお客さまが、なぜ日本の商品が自国で買えないのか、ぜひグローバルで販売してほしい、と声をあげ始めています」

「やっぱりノースフェイスの強みはこのロゴだね」と石津さん。「山の北壁を表しているんですよ」と高梨さんはロゴの意味を説明する

――90年代のノースフェイスといえばアウトドア用のダウンがストリートカルチャーを作りました。

石津「あと、僕の診断ではね、このロゴマークの存在感。ロゴマークはスポーツウエア系ならではの特徴で、街中で目立ち出すと皆の認知度が急上昇してぐっと人気が広がっていく。アウトドアはどうしても見た目が似た商品になりがちで、現代では機能的にもそれほど差はつけられない。すると勝負はロゴマーク次第になるともいえますよね」

――確かに目立つロゴマークですよね。

高梨「カリフォルニアにあるヨセミテ公園にある山、ハーフドームをデザインしたものです。3本は世界三大北壁であるアイガー、マッターホルン、グランドジョラスを意味しています」

――チャレンジ精神を象徴するロゴマークということですね。その精神を体現した多彩な商品をさらに見ていきましょう。

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

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