レタスクラブ復活の立役者に聞く 自分マネジメント術仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(6)

2020/2/26

「仕事がつまらない」と思ってしまう自分のパターンを知ろう

――この連載「公私混同力のススメ」で紹介したいのは、本業をおろそかにせず、いかに本業とのシナジー効果を発揮するか?という視点です。ただの「遊び」のように思われてしまう「公私混同」と、本業とのシナジーがある「公私混同」の違いはどこにあると思いますか?

結果を出しているかどうかですよね。結果を出していたら何をしてもいいと思います。本業が手薄のまま副業を開始するのは自分自身も不安ではないでしょうか?

編集という仕事はいろんな世界を知っていたほうがいいので、趣味なのか副業なのか本業なのか、もうあいまいなところはありますね。全方位でインプット/アウトプットをする意識は大切だと思います。本業だから、副業だから、という区別なしに、好奇心をもったテーマがあれば実行にうつし、そこで楽しく結果を出すことが大切なんじゃないでしょうか。

――仕事で思うようにいかなかったり、やりたいことと違うことをやらないといけないとき、松田さんでも腐ったりすることはありますか?

「仕事つまんないな~」「なんか思ったのと違う」と、腐ることは私にもあります。私の場合、腐るときには次の3つの傾向があると思っています。

1. 自分の実力が追いついてない

2. 夢中になっていない

3. ゴール設定をしていない

「つまんないな~」と思ったら、「それは私が夢中になれていないからだ! だからもっと自主的に仕事しよう!」と気持ちを切り替えることができます。気が乗らない長丁場にわたるユウウツな仕事も「これを続けている意味は?」と自分に質問して、「これが見えたらゴールだ!」と、自分で納得のいくゴールの状態を決めます。そうして夢中になって仕事すると、しばらくしたら一皮むけて、また仕事が面白くなってきます。

「ここまでやったらやめよう」という、自分が納得するゴール設定ができれば、自分の選択に言い訳せず、ただただ進むのみ!になります。自分が納得いくかいかないか、が一番大事なんですよね。人の評価とかより。もちろんストレングスファインダー1位は「最上志向」です(笑)。

例えば、コミックエッセイ畑を15年歩いてきた私にとって、レタスクラブの編集長をやってくれない? という異動は突然で戸惑いましたが、「私にそれを任命するってことは、私のキャラを見据えた上での任命だよね」と思い、「私がやるならこうしますよ」を最初にしっかり上司に伝えました。そのうえでOKをいただいたので、勢いを持って改革を進めることができました。

もちろん上司のツボを押さえることは大切です。当時の上司は細かいことを言わない上司だったので、始めにしっかりと握ることが大事。やりたい仕事を進める上で、上司にちゃんと理解を得る努力は惜しまないほうがいいと思います。

モチベーションを上げるには「一人コーチング」が効果的

――自分を客観視してモチベーションを上げることができるのがすごいですね。何か、自分を客観視できるようになったきっかけはありましたか?

マリ先生(注:「テルマエ・ロマエ」などの著作で知られる漫画家・文筆家、ヤマザキマリ氏)の影響が大きいですね。前職でマリ先生の担当をしたとき、テレビ番組でマリ先生が世界を旅行する企画がありました。担当編集者としてずっと一緒に世界を巡り、お話する機会が多かったんです。

マリ先生はよく「自分が相棒」という話をされていました。14歳でヨーロッパ1人旅をご経験されたとき「苦難を乗り切るのは自分しかいない」「頼りになるのは自分」と思われたそうです。自分の中に「導く自分」がいて、その内なる自分と相談して「こっちにいこう、あっちにいこう」と判断する、という話が面白いと感じていました。で、「そういえば、私も昔からそうだったな……」と気付きました。自分自身に常に話しかけているというのが正しいイメージでしょうか。だから、一人でも全く寂しいとは思わないですね(笑)

そこから「一人コーチング」を意識するようになりました。自分で自分と対話すると、客観的になって、自分の行動パターンが見えてきます。パターンが分かってくると強いですよ。「この前この行動で後悔したから避けよう」ということが経験上わかりますし、「ああ、この気持ちの落ち込みはあれが原因だ」と推測できます。

仕事でモヤモヤしたり「今の仕事がつまらない」と思ったりしたときに、その原因が分からないまま転職を繰り返しても、結局モヤモヤは収まらず、どこにでもついてくる。自分でハラオチするまで考えることがポイントだと思います。

――とても参考になります!自分を客観的に知ることがハラオチのコツですね。今回はどうもありがとうございました。

松田さんは編集力を「そこに横たわる名もなき 『価値観』を言語化し、パッケージにして『ほら!』と差し出す力」と定義されていました。これは、自分のキャリアの方向性を定める上でもとてもヒントになると感じました。

自分の中の名もなき 「価値観」は、「仕事がつまんないな」と思ったときの傾向や、自分がどうなったら機嫌よく過ごせるか、という傾向をデータベース化していくことで見えてきます。その上でハラオチできるゴールが決まったら「何かを成し遂げる人」になるための準備は整ったも同然です。今回のインタビューを参考に、「編集力」を磨いていきましょう!

松田紀子さん
リクルート九州支社で旅行雑誌「じゃらん」の編集に3年かかわったのち上京、2000年メディアファクトリーに入社。11年、メディアファクトリーがKADOKAWAの子会社に、のち合併され、「コミックエッセイ編集グループ」編集長に。16年「レタスクラブ」の編集長も兼任。18年には同誌が料理・レシピカテゴリーの雑誌で売上1位を記録する実績を残した。19年にKADOKAWAを退社、(株)ファンベースカンパニーに合流。編集力を生かしたファンベースディレクターとして様々な分野の起案・企画に併走。著書に『悩んでも10秒』(集英社)。
池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活でキャリア迷子から抜け出すためのコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。10年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。

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