レタスクラブ復活の立役者に聞く 自分マネジメント術仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(6)

2020/2/26

副業禁止の会社で人を巻き込み事業化する「熱狂」の力

――この連載「公私混同力のススメ」では、いままで培ってきた経験を他の場所でも横展開するスキルを磨こうという話をしていますが、まさに「編集力」を他の業界で生かすチャレンジをしているのですね。ところで、前職では副業として何かをした経験はありますか?

前職では副業が禁止だったので、実際に副業をしたことはありません。前職のころから講演会に講師として呼ばれたり、テレビのコメンテーターをしたりしていましたが、すべてはレタスクラブの宣伝活動のつもりでやっていて、謝礼は全て会社に渡していました。

編集という仕事は、普段の生活の延長線上でものごとをとらえることが大切なので、そういう意味では仕事とプライベートが地続きな意識は常にあったかもしれません。

18年は映画「カメラを止めるな!」にドはまりしました。公開数日の段階で見に行ったのですが「これは絶対世に広めなければ!」と熱狂しました。上田慎一郎監督を追いかけて、レタスクラブの編集長なのに、雑誌「ダ・ヴィンチ」メンバーとして監督にインタビューをしたり、他の出版社やメディア系企業に勤める友人を巻き込んで「映画『カメラを止めるな!』アツアツファンブック」(KADOKAWA)を「チーム『カメ止め!』感染者」名義で編集したり。あげくには上田監督の新作映画に女優として参加したいと、映画オーディションも受けました。一次選考で落ちちゃいましたが……(笑)。

私、もともと舞台裏が好きなんです。「カメラを止めるな!」で舞台裏の人たちが夢中になっている姿をみて、「自分がそこにいないことが悔しい!」と猛烈に感じたほど。つくり手に携わっている人は今からでも遅くないです。絶対見たほうががいい映画です!

「売れっ子の女優」を演じて自分で自分の機嫌を取る

――実は私(池田)も松田さんが発する「カメラを止めるな!」の熱狂の渦に巻き込まれたひとりです(笑)。松田さんのSNS(交流サイト)での発信で「絶対に見ないと!」と感じ、2回見ました。上田監督と松田さんが登壇するトークイベントにも参加しました。

人を巻き込むには「熱量」が必要だと思います。松田さんには、みんな喜んで巻き込まれていくような感じがします。社内外に松田紀子ファンがいますよね。「公私混同力」を磨くには「巻き込む」ということが大切な気がしていますがいかがですか?

「この人と組んだら面白そう!」と思ってもらえることは大切だと思います。「貧乏くじをひきそう」なことは誰だって嫌じゃないですか。「この人とだったらなんだか楽しそう」という期待感を持ってもらえるといいなと思っています。

そのためには、自分自身の体調と機嫌の管理には気をつけています。20代のころ、直前に嫌なことがあったのを引きずって不機嫌丸出しでクライアントのお店に行ったとき、いつも優しい店長に「そんな仏頂面で来るな。自分の機嫌くらい自分で取って来い!」と激怒された経験があり、それ以来「自分の機嫌くらい自分で取れ」と胸に刻んでいます。

体調が良くないときや機嫌が良くないときに案件が重なってくると、わちゃわちゃしてしまい、追われている感じがしますよね。先日も忙しすぎて目が回っているメンバーがいたんですが、「自分は売れっ子の俳優だ!」と思って、「自分以外に代わりはいない、この舞台に自分が欠けたらどうする!」と思って毎日過ごすと楽しいよ~、というアドバイスをしました(笑)。

私自身も、多忙なときや緊張感が高まる場面が続くときは「自分は女優!」と勝手にイメトレをしています。明日のステージに立つために、心をコスプレする気持ちですね。すると、忙しいのが心地よい緊張感になり毎日を乗り越えられます。

緊張感があると体調も崩れないんですよ。緊張した後は思い切り緩和する。このメリハリが心身ともによいリズムになっていると思います。

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