南極大陸「発見」から200年 実は発見者に諸説あり

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

南極点を目指すロバート・ファルコン・スコットのテラノバ遠征隊員。背景にはエレバス山がそびえ立つ。南極大陸が発見されたのは1820年だが、それから南極点到達までに約90年がかかった(PHOTOGRAPH BY HERBERT G. PONTING, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

南極大陸の発見からちょうど200年。現在、この極寒の大陸はアドベンチャーの目的地となり、科学研究の舞台となっているが、そもそもいったい誰がこの新大陸を発見したのだろう?

その答えは「発見」の定義によって異なる。重大な発見はおそらく、ロシアの探検隊による1820年1月27日の発見だろう。ただし、そのわずか3日後、英国探検隊も別の場所で同じ大陸を発見している。

1800年代を迎えるころにはすでに、テラ・アウストラリス・インコグニタ(「未知の南方大陸」)を目指す探検が始まっていた。当時は、北半球の陸地に匹敵する巨大な陸塊が、南にも存在すると考えられていた。

しかし、初期の試みはいずれも失敗に終わった。ジェームズ・クックは2度目の航海で、1772~1775年の3年間にわたって新大陸を探し続けた。クック率いる探検隊は南極圏に到達したが、結局、大陸は見つからず、帰還を決意した。

しかし、クックはまだ続きがあると確信していた。「極の近くに陸地が存在し、広大な南の海に浮かぶ氷のほとんどがその陸地で生み出されていると確信しています」。クックは航海日誌の最後にこうつづっている。「未知なる氷の海の沿岸を探検するリスクは計り知れません。だからこそ、私は断言できます。私が到達した場所より先に進む者はこれからも現れない、南に存在すると思われる陸地はこれからも探検されないと」。クックは一時、南極大陸の沿岸からわずか130キロ足らずの地点に到達していた。

クックの帰還後、いくつもの探検隊が南方を目指したが、成功者は一向に現れず、「未知なる南方大陸」には到達できないと考えられるようになった。しかしその後、南方への航海が再び盛んになった。極寒の海を泳ぐアザラシの毛皮に利益を見いだす者が増え、国際競争が加熱したためだ。領土と経済的優位を求め、ロシア、英国、米国の探検隊が南極を目指した。

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発見から上陸、南極点到達まで90年
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