住宅ローン借りたら確定申告 初回は必須、控除大きく確定申告の手びき(5)

住宅ローンを利用してマイホームを購入したり増改築したりした人は、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けられる。確定申告で税金が戻ってくる「還付申告」の代表例で、すでに1月1日から受け付けが始まっている。

ローン残高の1%、税額から控除

住宅ローン控除は年末のローン残高の1%を税額から差し引ける制度。あらかじめ計算された所得税から一定額を引く「税額控除」なので節税効果が大きい。

一般の住宅は年最大40万円の控除を最長10年間受けられる。認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は優遇措置で、上限は50万円に増える。また、消費税率10%で住宅を取得した人の控除期間は最長13年だ。

会社員の場合、2回目以降は年末調整で比較的容易に控除の手続きができるが、1回目だけは確定申告が必要だ。「1回目は控除の適用の可否を判断するため、税務署が要件をチェックする。適用が決まれば、あとは基本的に借入金の残高が減少するだけなので、年末残高証明書があれば年末調整で手続きが済ませられる」(柴原一税理士)。

引き渡しから6カ月以内に入居などの条件

控除を受けるには、いくつかの要件を満たさなければならない。まず、住宅の引き渡しから6カ月以内に入居することが必要だ。投資用などでそこに住んでいなければ対象外となる。ただ、転勤などの事情で本人が入居できない場合は「6カ月以内に家族が入居していれば控除の対象となる」(柴原税理士)という。

また、登記簿上の床面積が50平方メートル以上でなければならない。「物件の広告などに『50平方メートル』と記載されていても、登記簿上はそれに満たない場合もある」(福田浩彦税理士)ので注意したい。

さらに、ローンの返済期間が10年以上であることが必要だ。一方、合計所得金額が3000万円を超える年は控除が適用されない。

「住宅に入居した日」も基準となる。19年中に購入しても、住み始めたのが20年となった場合、控除の手続きは21年になる。

残高証明書や登記事項証明書など必要

要件を満たすことを確認したら、必要書類をそろえよう。まず、源泉徴収票と金融機関から郵送してくる年末残高証明書。建物や土地の登記事項証明書、売買契約書も必要となる。こうした書類は住宅を購入する手続きの過程で、不動産業者や司法書士から受け取るのが一般的だ。

書類がそろったら国税庁のサイトなどから「計算明細書」を入手し、必要事項を記入。確定申告書も作成し、年末残高証明書や登記事項証明書などとともに税務署に提出する。

スマートフォンで手続きするには、e―Taxの案内に従って住宅ローン控除の「証明書データ」の交付を希望。必要事項を記入し、確定申告書も完成させて送信する。各種証明書はPDFにして送信するか、別途郵送する。

(川上純平)

[日本経済新聞朝刊2020年2月15日付]