打ち合わせを変えれば無駄が減る 佐藤可士和の仕事術クリエイティブディレクター 佐藤可士和(1)

スケジューリングはクライアントの担当者が行っていたのですが、これが本当に見事でした。2週間に一度ずつくらいで定期的に打ち合わせを行い、余裕を持った適度なリズムで仕事を推し進め、無理のないところでゆっくりゆったりと走り、まさに2年半でピタッと仕事が終わったのです。

これには僕も驚きました。何に驚いたのかというと、いわゆる「山のない仕事」だったからです。一気に短距離で走り込むことがまったくないプロジェクトでした。

こういう仕事を経験したのは初めてでした。それまでは、どちらかというと、徹夜をしたりすることで「おお、仕事したなぁ」という実感を得ていたのです。一気に終わらせるので、今日は朝はゆっくり行けばいいかな、といった感覚で仕事をすることも少なくありませんでした。当時は子どももいませんでしたので、そういうスタイルに不自然さを感じることもありませんでした。

ところが、山のない長期のプロジェクトを一度経験して、こういう仕事のやり方があるのか、これはいい、と思ったのです。

今のほとんどのプロジェクトの考え方は、「長期でじっくりと仕事を積み上げていく」という、このときに学んだスタイルです。おかげで、山を作らずにたくさんのプロジェクトを推し進められるようになったのです。

その場でジャッジする

そしてこのスタイルを可能にしているのが、「質の高い打ち合わせ」なのです。定期的に効率よく打ち合わせをして、確実に仕事を前に推し進めていく。

このとき、僕が意識しているのが、打ち合わせのその場でジャッジをすることです。そうすることで、仕事はどんどん進んでいきます。そのためにも、一つひとつの打ち合わせを「試合」であり、「本番」にするようになりました。

これを意識すると、打ち合わせ自体も減りました。必要な打ち合わせだけを、確実にできるようになっていったのです。こういうことを決めなければいけないなら、何回打ち合わせが必要か、ということもすぐにイメージできるようになりました。

効率よく打ち合わせを推し進めていくことこそ、生産性向上の決め手だったのです。

無駄をなくしたい、という声はあちこちから聞こえてきます。「サムライ」では、無駄を極限まで減らすことを意識しています。無駄をなくせば、時間にゆとりができます。仕事がラクになり、一つひとつの仕事のクオリティが上がります。たくさんの仕事がこなせるようになります。

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
次のページ
打ち合わせが仕事を変える
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら