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まるで市民マラソン ポケモンGOは万人のeスポーツに

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

東京都などの主催で「東京eスポーツフェスタ」が東京ビッグサイトを中心に2020年1月11、12日に開催された。eスポーツ大会のほか、ゲームや周辺機器、AR/VR関連の企業展示なども併設し、小池百合子都知事が来場したことでも話題を集めた。特にユニークだったのが『ポケモンGO』によるeスポーツ大会だ。

eスポーツ大会といえばプロにしろアマチュアにしろ、腕に覚えのあるゲーマーたちが集まるもの。厳しい予選を抜け、トーナメント戦を勝ち抜いて優勝を争うのが一般的だ。だが、同フェスタで開催された「ポケモンGO ゲット&バトルトーナメント」大会は雰囲気がまるで違っていた。

要因はレギュレーション(競技規則)のユニークさによる。最終的な優勝者こそ、一般的なeスポーツ大会と同様に、スマホゲーム『ポケモンGO』の「トレーナーバトル」を使ったトーナメント戦(「バトル大会」)で決めるのだが、そこに参加する方法が「ゲット大会」と呼ばれる屋外イベントを成績上位でクリアすることだったのだ。

当日捕まえたポケモンしか使えない

ゲット大会では、大会期間中だけお台場の対象エリア内に出現する36種のポケモンの中から、20種類以上のポケモンをゲットする。米ナイアンティックの協力により、エリア内のポケストップを回すと、大会開催期間内限定のミッションが出現するように設定されていた。このミッションに従って、指定された20種類以上のポケモンをゲットすると、そのタイムがスマホに記録される。ゲット大会開始から3時間以内に東京ビッグサイトに戻り、受付でタイムを申請するとクリアと認められる。

クリアまでのタイムが速かった上位16人がバトル大会に進出できる。このバトル大会にもユニークな条件が用意されていた。バトルに使用できるのが、ゲット大会で捕まえたポケモン(および、それを強化・進化させたポケモン)のみなのだ。このため、どのプレーヤーも事前に強いポケモンを用意することができない。全員が公平な条件で、腕と戦略を競い合うルールなのである。

実力、年齢関係なく参加できる大会

大会には事前に抽選で選ばれた150人の『ポケモンGO』愛好者たちが参加した。大会概要の説明を受けた後、午前11時に東京ビッグサイト入り口付近に集合し、スタートの合図とともに、青空の下をポケモンゲットに動き出した。

取材として、参加者と共に対象エリアを歩きながら筆者が感じたのは、これはeスポーツ版市民マラソン大会だということだ。

市民マラソンには、好記録を狙って真剣に参加するトップアスリートがいる一方、自分のペースで走ることそのものを楽しむ参加者がいる。友人同士で誘い合って参加する人、着ぐるみを着て周囲にアピールしながら走る人も見かける。実力も参加理由も異なるランナーが全員が同じ大会に参加し、それぞれの方法で楽しむ姿がそこにはある。

ポケモンGO ゲット&バトルトーナメントは、まさしくそんなイベントだった。上位入賞を狙うプレーヤーはスタートの合図とともに早足で歩き出したが、小さな子供と共に参加したファミリー層は親子で楽しく会話しながらポケモンゲットを楽しんでいた。デート風のカップルもいれば、つえをつきながら散歩を楽しむように参加する高齢プレーヤーもいた。

ファミリー層が新たなeスポーツビジネスを生む

このような独創的なeスポーツイベントは、どのようにして企画されたのか。東京eスポーツフェスタを担当した東京都産業労働局の川崎秀一氏によると、そもそもの狙いは普段eスポーツに触れていない層に訴求することだったという。

「バトル要素もある『ポケモンGO』ならぴったりと思い、計画した。ナイアンティック、ポケモンの両社と相談する中で、実際に歩いてポケモンをゲットする要素を入れたらどうかと提案され、このようなイベントになった」(川崎氏)

筆者が見る限り、この試みは大成功といっていい。しかも、老若男女問わず、eスポーツの裾野を広げる可能性を秘めている。

現在、多くのeスポーツイベントは競技性を追求する方向に進化・発展している。その結果、ゲームの腕を磨いた上級者たちの対戦を大勢の観客が見守るという形が定着してきた。裏を返せば、競技者と観客の分離が起きているとも分析できるだろう。

しかしポケモンGO ゲット&バトルトーナメントは違った。上級者から初心者まで、強豪プレーヤーから小さな子供や高齢者までが全く同じ条件で競う。これだけ幅広い人たちが笑顔で大会に参加する光景は、昨今のeスポーツシーンではめったに見ることがない新鮮なものだ。

今回は参加人数を150人に限定していたが、運営方法やレギュレーションをブラッシュアップすれば、より大規模な大会も実現可能だろう。クリアした人用の粗品や、順位が100番、200番といったキリのいい数字になった人用の特別賞などを用意すれば、優勝を目指す人だけでなく、のんびり参加したい人にもモチベーションになる。

こうして誰もが参加したくなるイベントに発展すれば、観光客を呼びたい地方自治体や地元企業にとってもeスポーツはより魅力的になるはずだ。ポケモンGOなら広い会場は必要ないうえ、大勢の人が会場周辺エリアを歩いて回ってくれるのだから、観光産業との連携もできるだろう。「ポケモンGO ゲット&バトルトーナメント」は、eスポーツを使った新しいビジネスの形が誕生する予感さえ感じさせるものだった。

(ゲームジャーナリスト 野安ゆきお)

[日経クロストレンド 2020年2月12日の記事を再構成]

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