Men's Fashion

フィレンツェ&ミラノでチェック 世界の洒落者の流儀

How to

2020着たい服と装い方

2020.2.18

MEN'S EX

去る1月に行われたピッティ&ミラノファッションウィーク。トレンドの1年先を行くといわれる世界的洒落(しゃれ)者たち、その最新の装いを月刊誌最速でレポートする。暦は春とはいえ、まだまだ寒さ厳しい今の季節をどう装うか。彼らの“今、着たい”を参考に考えてみよう。

「日本の生地を使ったワーク調スーツを英国流にドレスアップ」

マイケル・ヒル氏/ドレイクス クリエイティブディレクター
ドレイクスをネクタイメーカーからトータルブランド化したキーパーソン。ピッティでも巨大なブースを構え、各国バイヤーに大注目されている。

英国人ながらイタリアや日本のアイテムも積極的に着用し、それらをミックスした装いが世界的に評価されるマイケル。「今日は全身ドレイクス。スーツは日本のコットンを使った新作で、ワーク調のデザインを取り入れたものです。ボタンホールが上まで開いたピークトラペルに、3パッチポケットという意匠が面白いでしょう? カジュアルなスーツですが、あえてトラディショナルなストライプタイとボタンダウンシャツを合わせてドレスアップしたのがポイントですね」

【 Point! 】時計はGショックがお気に入り
時計はスポーティなものを好んで着用するマイケル。この日は日本で購入したというGショックを合わせていた。タイドアップスタイルを時計でハズすのはイタリア人にも通じるテクニックだ。

【 Point! 】Vゾーンはあくまで英国的に
ドレイクスが得意とする太畝レップのストライプタイにキャンディストライプのBDシャツ。ここだけ見ると極めてトラッドだが、これをワーク風スーツに合わせるツイストのセンスが素晴らしい。

【 Point! 】チラリと効かせた足元の差し色
非常にベーシックな色合わせだが、足元に鮮やかなパープルソックスを効かせるあたりはさすが英国人。ちなみにチャッカブーツもドレイクスで、英国風の顔つきだがイタリアメイドのもの。

「同色・異素材の新しい組み合わせにトライしました」

アレックス・ピロウニス氏/「アングロ・イタリアン」共同設立者
イタリアのクラシックブランドを経て参加したアーモリーでジェイクに出会う。ファッションへの姿勢にすぐさま意気投合し、共同でショップを出すことを決意。

自身のブランドであるアングロ・イタリアンのオリジナルで全身を固めたスタイル。「一見グレースーツ風ですが、実はジャケットはコーデュロイ、パンツはフランネルと素材違いのジャケパンスタイル。派手に見えず、少し変わった合わせに挑戦してみました。ジャケットの素材はジェイクのパンツと色違い。靴はスエードで素材感を揃えました」

「生地から作りこんだコーデュロイパンツで“今”を表現しています」

ジェイク・グランサム氏/「アングロ・イタリアン」共同設立者
ロンドンで今、再注目されるショップのひとつ「アングロ・イタリアン」の共同経営者。店名は“英伊折衷”的な意味で、イタリア製の英国的アイテムを展開する。

アンダーステイトメントを第一とするロンドナーらしく、シックにまとめた装い。「アングロ・イタリアンで素材から開発したコーデュロイパンツがポイントですね。陽の光に当たってはじめてわかるくらいの落ち着いたブラウンです。イタリアの工房製のジャケットは、ラペルの下端をラウンドさせた独自デザイン。近いうち日本でも展開予定ですよ」

【 Point! 】田舎紳士に見えない濃茶コーデュロイ
室内ではグレーのようだが、明るいところでは茶色が浮かび上がる濃茶コーデュロイのパンツ。明るい茶より都会的に見える点もポイント。