2020/2/19

擁壁の周辺環境をチェック

次に擁壁の周辺環境をチェックします。まずは、「水抜き穴」があるかどうかを確認します。擁壁は土の圧力を止めるように作られていますが、雨水が土に浸透すると、さらにその圧力が高まりますので、それを開放するために水抜き穴が作られているのです。この水抜き穴が一定の範囲にきちんと設置されているかどうかや、擁壁の上にある「排水施設(U字溝など雨水を排水する施設)」の有無をチェックします。

さらに「水のしみだし」を確認します。雨が降った後は水抜き穴から水がしみだしてくるのは当然ですが、しばらく雨が降っていないにもかかわらず、常に擁壁面が湿っていたり、水がしみだしたりしている状態は、排水がうまくいっていない証拠であり、擁壁に想定以上の圧力がかかっている可能性が否定できません。

そして「排水施設の状態」を確認します。擁壁の上部にある排水施設が壊れていたり、雑草などが生い茂っている、土砂が堆積しているような場合、適正な排水ができない状態にある可能性があります。また、水抜き穴が詰まっているのも、排水がうまくいかず、土圧を必要以上に高めてしまう問題となる可能性があります。擁壁の下に設置されている排水溝が破損している場合は、想定以上の土圧が擁壁に加わっている可能性もあります。

擁壁の状態(擁壁変状)をチェック

擁壁変状については、クラック(ひび割れ)とその大きさ、擁壁にかかる圧力の相違などによって生じる水平方向のズレと大きさ、地盤不同沈下(地盤面によって度合いが異なる地盤沈下)による擁壁の垂直方向のズレと大きさ、擁壁のコーナー部分のズレや開きとその大きさ、擁壁のふくらみや傾斜(土圧による可能性あり)をチェックします。

いずれも擁壁の機能が低下している可能性、土圧に耐えられなくなりつつある可能性があるといわれている現象です。

このチェックシートでは、チェック項目についてそれぞれ細かく点数化しており、その総合得点で3段階の安全度を確認できるようになっています。

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擁壁所有者に問われる維持管理責任