年金改革の恩恵最大限に 働き方と引退年齢見極めよう2020年の法改正(3)

夫婦で共働きであっても、一方がパート勤務などであった場合は適用拡大の恩恵を受けます。2人分の厚生年金を獲得できると、老後の経済的な安心が一気に高まります。

もちろん厚生年金適用は、会社と本人の双方にとって負担増です。会社にとっては企業負担の社会保険料がかかりますし、本人にとっては厚生年金保険料が天引きされて手取りが減少します。今の国会では、段階的にどこまで厚生年金適用を拡大するかがポイントとなります。

65歳以降も働ける時代へ、どう対応するか

今まで、60~64歳のうちから年金の一部を受け取り、65歳から満額の年金となる移行期間でしたが、とうとう65歳からに完全移行することになります。具体的には1961年4月2日生まれ以降の男性(女性は5年遅れの1966年4月2日生まれ以降)は、65歳から初めて年金をもらうことになります。

この年代が60歳に到達するのは2021年4月以降(男性の場合)ということになり、2020年代はまさに「65歳まで働くのが標準」という時代の始まりでもあります。

定年制度の見直しにより70歳まで働ける社会づくりが動き出したことは、前々回「定年70歳でも年金65歳から 引退年齢自ら決める時代」のコラムでも紹介しました。公的年金の制度改正でも、65歳以降、年金をもらいながら働く人の年金額をどう調整するかが議論になっています。

政策の方向性としては大きく分けると、働いて賃金があるのだから年金は払わない(あるいは減額して払う)というアプローチと、年金と賃金は同時にもらってよく合計で高所得なら税金をたくさん払ってもらい最終的に調整するというアプローチが考えられます。

現在は、在職老齢年金といって年金額を調整して支給する(あるいは支払いを停止する)方向です。年金額の調整を始めるラインをどこに置くかは、政治的には特に議論の対象となっています。

受け取った年金も収入として所得税・住民税の課税対象ですから、年金をもらえるようにすることはただちに金持ち優遇になるわけではありません。冷静な議論を国会には期待したいところです。

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