スズキ・ハスラー 「アウトドアを日常に」大幅進化

2020/3/1
フルモデルチェンジで完成度が高まった2代目「スズキ・ハスラー」(写真:向後一宏、以下同)
フルモデルチェンジで完成度が高まった2代目「スズキ・ハスラー」(写真:向後一宏、以下同)
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一代にして軽クロスオーバーというジャンルを築いた「スズキ・ハスラー」が、2代目にフルモデルチェンジ。ユーティリティー、装備の充実度、快適性、走りの質感と、全方位的な進化を遂げた新型は、開発理念にブレのない、完成度の高いクルマに仕上がっていた。

“タフ&ストロング”へ劇的に変化

東京モーターショーや東京オートサロンですでに見ていたが、あらためて目のあたりにすると新型ハスラーは初代とはまるで違うカタチだ。しかし、間違いなくハスラーだとわかる。デザイナー陣はとてもいい仕事をした。売れたモデルの2代目は、似すぎていると代わりばえしないと言われるし、思い切って変えてしまうとユーザーからそっぽを向かれる可能性がある。困難なミッションなのだ。

全長と全幅は変えようがないから先代と同じで、全高は15mm高くなった。ホイールベースは2425mmから2460mmに延長されている。サイズの拡大はわずかだが、ずいぶん広そうに見える。各面をギリギリまで広げ、角張ったフォルムを採用したからだろう。実際に室内スペースも少しだけ広くなっている。

サイドから見ると、はっきりとスクエア感が強調されている。ルーフラインからウィンドウ、キャラクターライン、ホイールアーチ上端と、見事に水平線が並ぶのだ。ボディー後端はほぼ垂直に切り落とされている。ちょっと猫背で愛嬌(あいきょう)のあった先代とは印象がまるで違う。“ファニー&ポップ”から“タフ&ストロング”へと、劇的に変化した。

「遊べる軽」というコンセプトは初代と一緒で、アウトドアを意識したクルマであることに変わりはない。でも、アウトドアに向けられる視線が変わったことで、ハスラーも変化しなければならなかった。初代が登場した2014年より、アウトドアは身近なものになっている。マウンテンジャケットを街なかで着こなすのは普通になり、作業着ブランドだったワークマンがカジュアルウエアとして人気だ。「アウトドアを日常に」という掛け声のもと、都会にあってもアウトドア感を強めることがハスラーに求められていると判断したのだろう。

グレードは「ハイブリッドG」「ハイブリッドGターボ」「ハイブリッドX」「ハイブリッドXターボ」の4種類で、それぞれにFFと4WDが用意される

トレンドの超ロングストローク

発売から6年間で、ハスラーは48万1283台を売り上げた。スズキとしても望外の結果だったという。当時もSUVは一定の人気を得ていたものの、現在のようにクルマの主流という位置づけにはなっていなかった。新型ハスラーは飽和状態の市場に投入されるのだから、漫然とSUVっぽい軽自動車というつくりにはできない。ハスラーの成功を見て企画されたと思われるライバルも出現している。三菱はすでに「eKクロス」を世に問うているし、ダイハツはオートサロンに出展した「タフト」を年央には発売すると発表した。

迎え撃つハスラーは、スタイリング以外の武器も必要になる。まずはパワーユニット。新しい自然吸気(NA)エンジンが採用された。試乗の前にスペックを見て一驚。最高出力が49PSって……。今どきあまり見ない数字だ。先代よりパワーもトルクも下がっており、他社のライバルたちにも及ばない。不安を抱えながら乗りだすと、もう一度驚くことになった。

前後席間距離が35mm延びたことで、足元スペースのゆとりが増した後席。スライド調整機構は左右独立式で、利便性に優れる
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