新顔が続々発車! 絶景もグルメも満載の観光列車10選

■6位 THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(福岡県)385ポイント
車内で焼きたてピザ

福岡市の中心部から大牟田市へ、住宅街や田園地帯を縦断する。キッチンクロスをイメージした外観や八女の竹を使った竹編みの天井、家具の街・大川の家具など見どころが多い。

目玉はオープンキッチンのピザ窯。筑後地方の野菜や小麦を使って作る。「動くレストランに徹した潔さ。窯を載せてアツアツのピザを食べさせるなんてすごい。地元に末永く愛されてほしい」(杉山淳一さん)。西鉄福岡(天神)から太宰府へ行くプランは地元人気店のパンやコーヒーが出る。

(1)西日本鉄道、19年(2)西鉄福岡(天神)―大牟田間、食事込み8800円(3)https://www.railkitchen.jp/

■7位 一万三千尺物語(富山県)360ポイント
職人が握るすしに舌鼓

立山連峰から海の幸豊かな富山湾の底までの高低差4000メートルは、尺貫法で一万三千尺だ。天井や床、格子などの内装には地場の「ひみ里山杉」を使用。「車窓からみえる山々とマッチし、家にいるよう。職人がすしを握る様子もみられ、地元のもてなしを感じる」(北栄階一さん)

乗車中は地酒を味わったり、ガイドによる地元の案内や小話に耳を傾けたり。富山駅発着で、富山県東部へ向かって泊駅で折り返す「富山湾鮨(ずし)コース」と高岡駅や黒部駅に行く「懐石料理コース」がある。

(1)あいの風とやま鉄道、19年(2)富山駅発着、食事込み1万3000円~(3)https://www.13000story.com/

■8位 ことこと列車(福岡県)340ポイント
地元料理にのどかな車窓

炭鉱で栄えた筑豊地区をゆっくりと「ことこと」走る。福岡出身のシェフ、福山剛さん監修のフレンチが味わえる。前菜の「ことことボックス」は沿線9市町村の食材を使う。4月にメニューを一新する予定。

「産地だったことにちなんだ卓上のペーパーウエイトが本物の石炭。車内のBGMが炭坑節をイメージさせるのもいい」(小山健志さん)。大川組子や寄せ木細工を使った内装、外装のデザインは水戸岡さんが担当。

(1)平成筑豊鉄道、19年(2)直方―行橋間、食事込み1万4800円(4月からは田川伊田発着の新ルート、価格も変更)(3)http://www.heichiku.net/cotocoto_train/

■8位 ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)(富山県)340ポイント
地酒とおつまみでほろ酔い

高岡駅を起点に海に向かう氷見線と、山に向かう城端線は美しい景観で知られる。名称はフランス語の「美しい山と海」が由来。車内には沿線の伝統工芸品「井波彫刻」がある。

職人が握る「ぷち富山湾鮨(ずし)セット」(要予約、2100円)が味わえる。「車窓に広がる富山湾を眺めて頬張ったとき『はぁ~幸せ』という言葉しか出てこなかった」(木村裕子さん)。地酒やつまみのセット、海鮮の丼も人気。

(1)JR西日本、15年(2)高岡―氷見間、860円(指定席券込み、食事は別)(3)https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hokuriku/berumonta/

■10位 ○○のはなし(山口県)320ポイント
名産や歴史のクイズに挑戦

名称の「はなし」は山陽本線・山陰本線沿いにある萩、長門、下関の頭文字。車内では沿線の食や歴史などを紹介するクイズや催しがある。「鮮やかな色のグラデーションとハマユウなどの花をあしらった車両の美しさは魅力的。おひとり様の女子旅にもおすすめ」(水津陽子さん)

食事は時期やルートにもよるが、長門生まれの詩人、金子みすゞにちなんだ「みすゞのふるさと弁当」や「夢のはなし弁当」(要予約、各2600円)が手に入る。

(1)JR西日本、17年(2)新下関―東萩間、2510円(指定席券込み、食事は別)(3)https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hiroshima/marumaru_no_hanashi/

手作り感のある地方鉄道も善戦

2013年の観光寝台列車「ななつ星in九州」の登場で、改めて注目が集まった観光列車。15年に北陸新幹線の金沢延伸を受けて「花嫁のれん」が、16年に今回1位の雪月花、17年に観光寝台列車「トランスイート四季島」「トワイライトエクスプレス瑞風」が続くなど、毎年新顔の観光列車が登場。20年も高知で「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」が運行開始の予定だ。

今回のランキングは2015年以降に走り始めた観光列車に注目。寝台列車は除き、その土地ならではの演出や食材、沿線の住民とのふれあいなど、列車の旅ならではのご当地感覚が楽しめるものを選んでもらった。地域おこしを狙った手作り感あふれるおもてなしが光る地方の鉄道会社の列車が善戦。圏外だったが道南いさりび鉄道「ながまれ海峡号」や島原鉄道「しまてつカフェトレイン」などを応援する声が集まった。

観光列車は運行日が土日祝日だけの場合が多い。多くは事前予約が必要で、料理や催しは時期により変わる。情報収集して出かけよう。

■ランキングの見方 数字は選者の評価を集計した点数。列車名、カッコ内は通常時の運行地域。(1)運行会社と開始年(2)主な区間と大人1人の料金(税込み)(3)紹介サイトのURL。写真は1位三浦秀行、4位宮内禎一撮影。他は各社の提供。

■調査の方法 15年以降に運行を始めた観光列車(寝台列車を除く)から専門家への取材で28路線をリストアップ。鉄道や旅行、地域に詳しい15人に「ご当地感が楽しめる」との観点からおすすめ順に10カ所選んでもらい、編集部で集計した。(河野俊)

■今週の専門家 ▽石井宏子(トラベルジャーナリスト)▽北栄階一(日本政策投資銀行地域企画部)▽木村裕子(鉄旅タレント)▽久野知美(フリーアナウンサー)▽小山健志(JTB国内仕入商品事業部)▽櫻井寛(フォトジャーナリスト)▽更科登(WEBマガジン「TABILISTA」編集長)▽水津陽子(地域活性化コンサルタント)▽杉山淳一(鉄道ライター)▽瀬端浩之(日本旅行鉄道プロジェクト)▽長根広和(鉄道写真家)▽野田隆(旅行作家)▽真柄智充(「旅と鉄道」編集長)▽南田裕介(ホリプロマネジャー)▽村井美樹(女優・タレント)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2020年2月15日付]


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