目の健康守る

花粉の季節はかゆくなる前に点眼薬 目を守る基本のキ

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目のかゆみやゴロゴロ、つらさを軽減したい(写真はイメージ=PIXTA)
目のかゆみやゴロゴロ、つらさを軽減したい(写真はイメージ=PIXTA)

今年もスギ花粉の飛散が始まり、目のかゆみや充血、ゴロゴロするといった症状を感じている人もいるだろう。花粉症は「飛散開始前から抗アレルギー点眼薬を使う」という早期治療が推奨されている。だが、タイミングを逃した人もいるはず。さらに、春に多く飛来する黄砂やPM2.5が刺激に拍車をかけることもある。今からできる、目のつらい症状を軽減する対策を紹介する。

■白っぽい目やにが出始めたらすぐ受診

花粉を体の異物と認識し、免疫反応が過剰に働いて発症するのが、アレルギー性結膜炎だ。「目は常に外部からの抗原(アレルギーの原因物質)に直接さらされている。目やに、かゆみ、涙が出る、充血、ゴロゴロする(異物感)などのうち、2つ以上の症状が現れたら、アレルギー性結膜炎である可能性が高い。近年増えているドライアイやコンタクトレンズ装用も、アレルギー症状を悪化させる要因となる。ムチンという結膜の粘液成分や角膜の一部が炎症によってはがれることにより、白っぽい目やにが出るのがアレルギー性結膜炎では特徴的」と、帝京大学医学部眼科学講座の三村達哉准教授は説明する。

アレルギー性結膜炎が起こる仕組みはこうだ。まぶたの内側から白目部分を覆う「結膜」に侵入した抗原に、マスト細胞が反応してヒスタミンなどのかゆみ成分を放出する。「通常、花粉飛散開始前の2週間前から、ヒスタミンの放出を抑える抗アレルギー点眼薬を使うことによって症状を軽くできるため、毎年症状のある人は、1月末ごろからの治療が薦められている」(三村准教授)。しかし、今年初めて発症した、あるいは眼科を受診する暇がないうちに本格的な飛散時期に突入してしまったという人も多いだろう。

今年の花粉の飛散は例年より少なめと予想されている。だが、実はこの時期に合わせて注意しなければならない、花粉症増悪原因があることがわかってきた。黄砂とPM2.5だ。

■黄砂とPM2.5も症状の悪化要因

目のアレルギーを引き起こすのは花粉に限らず、ハウスダストや動物の毛などの「屋内の抗原」、そして三村准教授が「第3の抗原」と問題視する黄砂やPM2.5などの「大気中の環境因子」だ。「毎年、スギ花粉とも重なる3~5月の間に大気中で最も飛散が多くなる黄砂やPM2.5がアレルギー症状を悪化させることがわかってきた」(三村准教授)

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