Q 休学して何が変わった?

宮田瑞希さん 慶応義塾大学3年。3年後半から休学し、ボランティア活動とひきかえに宿と食事を提供してもらうWorkawayという仕組みで、世界10カ国で15回ホームステイを経験した。現在は復学している。「海外留学を諦めないで」というメッセージをSNSやイベントで伝えている。SNSのフォロワー数は2万4千人。

宮田さん 休学して海外に行くと、30歳だけど学部生とか、働いてから大学来ていますとか、21歳のわたしなんて、めちゃくちゃ若いということがわかったんですよ。大学を卒業してすぐ「新卒」で働くなんて、まずない。日本では就活して大学卒業して就職してというレールが決まっている感じだけれど、そんなの誰が決めたのって思います。日々を生きていたら、おのずと決まってくるでしょうと。

福田さん 大きな企業に就職したいともともとは思っていたんですけど、若い世代の起業家とかかわるようになったりするうちに「就職をしなくてもやりたいことはできる」と思うようになりましたね。

意識高い系中島さん 全国で読者イベントとかをやると、とんでもなく変わったひとがたくさん来るんですよね。こんなに変な人たちが自由にやっているとか思うと、どう転んでも自分は生きていけるという自信がつきました。

Q 親やお金のハードルどうクリアした?

意識高い系中島さん 大学生だが学校名も本名もひみつ。ペンネームで執筆するブログで型にとらわれないとがったメッセージを発信し続けているほか、全国でイベントを多数開催。ツイッターのフォロワー数は1万7千人。

意識高い系中島さん お金をどうやって得たらいいのかは、常に考えています。就活イベントをやろうとして50社ほど回ったけれど全部断られたこともありました。本当にメンタルやられますよ。それまでノリでやってきたことを計画的に考えるようにして、軌道修正したら、休学を楽しめるようになってきました。

福田さん 休学をしたいと言ったって、親は理屈では動かせないです。だから、説得する場所が大事。親のテリトリーである家ではだめで、おすすめは喫茶店です(笑)。学費も全部自分で払うし、東京での生活費も全部自分がまかなうという条件でなんとか説得しました。結果的にクラウドファンディングと就活イベントの主催で個人や企業から計約220万円を集められたので、休学して東京に出てきました。

Q 友達関係は休学で変わった?

会場からの質問に答える登壇者

宮田さん あまり自分とは関わりがないと思っていた人たちがわたしの考えを「実はすごく尊敬するんだよね」と言ってくれたり、合う人はどこかに隠れている(笑)。逆にずっと仲良くしていたと思っていた人は、全く会わなくなったり。休学する前と後では、そういう意味で人間関係は変わりました。

意識高い系中島さん 僕はまわりの目はあまり気にしていません。ただ、僕のように発信をしている人は、大学にはあまりいなくて。でも、好きなことをしていたり、発信していたりすると、学外でも応援してくれる人は現れます。

Q 結局、休学してよかった?

学生らでにぎわう会場(東京都港区「ピースオブケイク」)

宮田さん マイナスは一つもないです。この人生、悔いなしです(笑)。休学をして何かをしないといけないともわたしは考えていなくて、例えばただ本を読みたいから、というのでもいいんです。自分の目の前の好きなことをやればいい。

意識高い系中島さん 実は休学直後は、何をしたらいいんだろうと後悔したんですよ。でも、実は自分と同じように休学している人が大勢いることもわかったし、とにかく人とかかわることのできる時間ができたのがよかったです。

福田さん 休学せずに在学したままできることもたくさんあるということは、言っておきたいです。ただ、いろいろな学生と会いますけど、優秀な学生は山ほどいるんですけど、勇気のある学生って少ない! 何かをやろうと思って実際に踏み出せる人は体感値で5%ぐらいです。休学でも休学じゃなくてもいいので、何か勇気をもって一歩踏み出してほしいですね。

(藤原仁美 桜井陽)

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