いよっ松之丞改め神田伯山 襲名・昇進パーティーの巻立川談笑

参加者に届く招待状も、婚礼のときと同様です。封筒の中に「出席・欠席」の返信はがきが入ってる、あの体裁です。参加費用は明記してありませんが、当日包むご祝儀の額も結婚披露宴と同じように考えて大丈夫です。いくら包んでます? ……ああ、それで十分です。間違いありません。

余談ですが、「招待された客はいくら包むべきか迷うんだから、金額を明記しなきゃダメだ」という意見もあります。身もふたもないようですが、確かに一理あります。実際に、「お気持ち」として招待客が支払ったのが2000~3000円だったとかなんとかでトラブルになりかけた例を知っています。国会だってモメるのは5000円から……いや、その話はおいといて。

逆に、なまじっか「参加費」を明記したために高額を包んでくださりそうな上客が「参加費」だけになってションボリ……なんて話もあったりして。いやあ、いずれにしても生臭い話で恐縮です。まあ、そんなこんなのぼんやりした割り切れなさも含めて、「ああ、婚礼のご祝儀と一緒なのね」、と聞き流しといてください。

落語界でも和装は少数派

次に服装。昇進パーティーの参加者の服装は、結婚披露宴とずいぶん違うところです。とにかく幅が広いんです。礼服に白ネクタイの男性や、極めまくったパーティードレスの女性もいらっしゃいます。が、少数派です。フォーマルってほどじゃないけど普段よりおしゃれな服装。これが多数派のような気がします。すてきな和装に身を包んだご婦人は多いかな。それでも、なんなら普通のスーツでも恥ずかしくないし、本気で平服の人だっています。ノーネクタイでも乗り切れそうなくらい。

そして落語家の服装。意外なことに必ずしも和装ではないのです。もちろん新真打ちとその身内なら、黒紋付き、羽織に袴(はかま)といった正装です。つまり師匠だとか、あに弟子、おとうと弟子だったりとかは黒紋付き。ところが同じ一門、同じ協会、別の団体、と関係が離れるにつれて、紋付きでなくなったり、袴をつけなくなったり、果てはスーツになったりするのです。別に明確なルールがあるわけではないのですが、主役に遠慮するのかそれとも着替えるわずらわしさがない気安さなのか。とにかく、立場に従ってちょっとした服装のグラデーションが生じるさまを見て、私はいつも不思議な感慨に包まれます。この日、立川流落語会からは私も含めて8人が参加しましたが、ひとり残らず洋服姿でした。

最後にもうひとつ。普通と変わっているのがお開きの時間です。この日の会は、開宴がお昼の12時で、中締めが12時30分。たった30分で三本締めをして、ハイお開き、と。わはは。初めての人は驚きますが、これは寄席関係独特のパーティーの特徴です。昼席の仕事がある落語家芸人が帰りやすくするための工夫ですね。もちろんそのままその場所で、2次会という名の披露パーティーは、さらに楽しくもっとにぎやかに続くのです。

いよいよ新生神田伯山が始動します。講談の世界も、寄席もますます活性化することでしょう。明るい未来にワクワクします。

松之丞さん改め伯山先生、真打ち昇進おめでとう!いよっ、日本一!!!

立川談笑
1965年、東京都江東区で生まれる。高校時代は柔道で体を鍛え、早大法学部時代は六法全書で知識を蓄える。93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。96年に二ツ目昇進、2003年に談笑に改名、05年に真打ち昇進。近年は談志門下の四天王の一人に数えられる。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評があり、十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。

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