本の陳列にかわいらしさも

ホステルでは蔵書のセレクトを、書店の店舗デザインやイベント企画など書籍に関連する新ビジネスを手掛ける「シブヤパブリッシング・アンド・ブックセラーズ」に委託している。海外雑誌や漫画、写真集、レシピ本なども含め収納本のジャンルは幅広い。「本好きでない人でも手に取ってみたいと思う書籍を選ぶように依頼しています」(BOOK AND BED TOKYOの力丸聡ディレクター)

また、毎月30冊入れ替えている本はホステルのスタッフが選んでいる。店長の宮城光さんが最近仕入れた一押しは中井菜央氏の写真集「繍」だ。物や動植物、風景などをポートレートとして捉えた芸術性の高い作品である。「料理が好きなスタッフは料理本を選ぶなど各自が得意分野を扱います。棚ごとに青、赤、黄色と背表紙の色を合わせて陳列するなど見た目のかわいらしさも工夫しています」と宮城さん。

1時間500円で昼間の利用も可

池袋駅西口にある雑居ビルの2フロアで営業している

宿泊の基本料金は1泊3300円から。トイレとシャワールームは共同だ。ベッド数は55。インターネットからの予約が基本で宿泊料金の支払いはクレジットカード。飲み物などの精算もクレジットカードか交通系ICカード、スマホ決済で、現金は使えない。昼間は1時間500円で読書と飲食サービスのみの利用もできる。東京には浅草店、新宿店があるほか、関西、福岡も含め全国で6店舗を展開している。

池袋本店の年間の稼働率は90%を超える。特に週末と祝日の前日は予約を取りにくいこともある。利用者の年齢層は20~30代が7割を占めるという。また、本に囲まれて眠るという非日常体験を求めるファンも多いらしく、利用者の4分の1は旅行者ではなく「近場からの利用者」だ。予想を上回る人気の理由は? 「逆説的ですが、寝たくないと思わせるようなホテルを作ってみたのです。それがユーザーの欲求をうまく満たす結果になりました」と力丸氏は話した。

(若杉敏也)

著者 : 中井 菜央
出版 : 赤々舎
価格 : 4,400円 (税込み)

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