男性を悩ます前立腺肥大 加齢でどれぐらい増える?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
(1)10万人程度
(2)20万人程度
(3)40万人程度
答えは次ページ
答えと解説
正解は、(3)40万人程度です。
前立腺のエキスパートである東京国際大堀病院院長の大堀理さんによると、前立腺の病気は長寿ゆえに増える病気であり、完全に予防するのは困難なのだそうです。
「平均寿命が短かった江戸時代のころは、前立腺の病気で悩む男性はほとんどいなかったでしょう。今でこそ、肥大症やがんなど、前立腺の病気にかかる確率が非常に高くなりましたが、それは人生100年時代ならではの現象です。前立腺の病気が加齢に伴って増えるのは自然の流れといえます」(大堀さん)
年を取ると前立腺が大きくなり、尿道が圧迫され、尿の出が悪くなってしまいます。これが前立腺肥大症です。尿が出きらずに膀胱に残ってしまい、「夜中にトイレに行く回数が増えた」「オシッコのキレが悪くなった」など、若いころは考えもしなかった排尿障害が起きます。
前立腺肥大症は加齢によって増加しますが、それは少々というレベルではありません。50代から患者が微増し、65歳を過ぎると爆発的に増加するのが怖いところです(下図)。
放置するとさまざまな合併症にも
そんな前立腺肥大症に対し、「たかがオシッコの出が悪くなるぐらい」と思う人もいるかもしれません。ですが、この病気を放置していると、膀胱がパンパンに腫れるほど尿がたまっても排尿できない「尿閉」や、たまった尿の影響で腎臓の機が低下する「水腎症」など、さまざまな合併症が起きる可能性があります。
「特に、糖尿病の人や高齢者は、前立腺肥大症が悪化しても気づかないケースがあるので注意が必要です」と大堀さんは話します。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2020年2月10日付記事を再構成]
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