アカデミー賞「パラサイト」 韓国の半地下住宅の現実

「パラサイト 半地下の家族」で作品賞を獲得したポン・ジュノ監督=ロイター
「パラサイト 半地下の家族」で作品賞を獲得したポン・ジュノ監督=ロイター
Paravi

現在、空前の不動産バブルの韓国・ソウル。不動産価格が上昇し、賃料の高騰も続く中で、ソウル市内に激安の物件があります。その物件は韓国で広がっている格差の問題を象徴するものでした。

韓国のソウルは2018年からの2年間で不動産価格が約4割も上昇し、賃料の高騰も続いています。そうした中、ソウル市内に激安の物件があるといいます。実は部屋の半分が地下に埋まっている「半地下物件」です。

この半地下物件は、入口が低い場所にあるので、大雨など降ればひとたまりもありません。

トイレは浄化槽よりも高い位置でないと水が逆流してしまうため、下水道管の通る高さに合わせて設置しています。そのため部屋の他の場所よりも高い位置にトイレがあるのが特徴で、家賃は一般的な部屋よりも4割ほど安くなっています。

不動産会社の担当者は「まとまった金がない人たちは家も買えず、新婚夫婦で半地下に住んでいる人たちもいる」といいます。

半地下は韓国の格差社会の象徴ともいわれ、貧困層を中心に約37万世帯もが半地下生活を強いられています。

事故で大けがをして職を失い、半地下生活を20年以上を送っている崔錫朝(チェ・ソクジョ)さんは「貧乏人はますます貧乏に、金持ちはますます金持ちに。格差は広がる一方だ」と嘆きます。

そして、半地下に住む4人家族の息子が豪邸生活を目の当たりに……。埋められない韓国の格差社会を描いた映画『パラサイト 半地下の家族』(アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞)が話題を集めています。

映画をつくったポン・ジュノ監督は「半地下に暮らす人は、家庭の経済的な事情で仕方なく半地下に暮らしている。当然その格差が小さくなって解消されればいいと思うが、数十年生きてきた経験の中で、今後の未来を考えてもやはり簡単な事ではないと思える」と話します。

この記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2020年1月9日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

(C)テレビ東京

[PlusParavi(プラスパラビ) 2020年2月3日付記事を再構成]

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