24歳独身、離乳食ビジネスの理由 「分断」の米で決意Kazamidori社長 久保直生さん

この怒りの根源はなんだろう。育った家庭や地域など周囲の環境で人生の多くが決められてしまうような社会そのものではないか。「生まれてくる子どもに罪はない。社会全体で子どもの育ちをケアできるようにしたい」。そのために最も必要なことを考えたとき、大きなミッションが浮かんだ。「子どものスタートラインにある格差を是正すること」。これこそ自分が求めるべきものだと思えた。そして「決めた」。

200万円の寄付がくれたもの

具体的に何をすればミッションを果たせるのか。帰国便の機内でも、帰国してからも考え続け、周囲に相談もした。事業化が見通せていないのに200万円を寄付してくれた先輩がいたことは、自分で決めたミッションの確かさに強い自信を与えた。当面の生活などを考えた就活の内定も辞退。「決めたんです。子どものスタートラインの格差是正を僕はライフミッションにする、と」。19年3月の卒業を待たず、Kazamidoriを起業した。

久保さんの視線は「子どものスタートラインの格差是正」に向かっている

当初は幼児教育や託児施設のマッチングサービスに取り組んだが、すぐに方向転換した。約200人の母親にヒアリングし、ストレスを生む問題として「食」が大きく浮かび上がってきたからだ。「幼児教育をする前に、親の余裕のなさを解決しなければ、子どもの健全な育ちは望めないと気づきました」。育児のストレスを軽減し、親に心の余裕が生まれたら、子どものスタートラインの格差是正につながるのではないか。そこでビジネスの柱に据えたのが離乳食だった。

久保さんは離乳食のほかにもビジネスの構想を温めている。それらがどのような道をたどるのか、もちろんわからない。しかし「子どものスタートラインの格差是正」というミッションそのものが揺らぐことはない。

久保さんは、どう生きればいいのか悩んでいる学生らから助言を求められると、こんなふうに答えているという。「20歳そこそこで、完璧な意思決定なんてできるわけがない。選択を繰り返し、意思決定の数が増えていくにつれ、覚悟が深まっていく。僕はこれをやると決めて進むしかありません」

(藤原仁美)

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