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格安スマホの今 安さ追求から独自機能重視に進化

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

格安でスマートフォンが利用できる「格安スマホ」として注目されたMVNO(仮想移動体通信事業者)。利用者層の変化や2019年に実施された電気通信事業法改正の影響などもあってサービスが変化しつつある。現在、MVNOがどのような取り組みに力を入れているのかをみてみよう。

料金プランは「分かりやすさ」重視へ

携帯電話大手のネットワークを借り、低価格でモバイル通信サービスを提供することで注目を集めてきたMVNO。携帯電話大手も低価格サービスに力を入れるようになってきたことで、一時のような勢いはないものの、2019年12月に総務省が公表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によると、MVNOサービスの契約数は2298万、移動系通信の契約数に占める比率は12.5%に達している。

一方で、利用者の増加とともにMVNOを取り巻く問題も増えている。国民生活センターは2020年1月16日、MVNOを中心とした「格安スマホ」の利用に注意を喚起した。全国の消費生活センターへの格安スマホに関する問い合わせは2017年度以降年間2000件を超えており、携帯電話大手のサービスから乗り換えたとみられる消費者のトラブルが増えている。

MVNOの認知と利用が拡大したことでスマホに詳しくない人もMVNOのサービスを利用するようになってきた。消費生活センターへの相談でも60歳以上の割合が年々上がっており、2019年度は35.7%に達している。そうした市場環境の変化を受ける形で、MVNOのサービスにもいくつかの変化が見られるようになってきた。

変化の一つは、料金プランが分かりやすくなったことだ。かつてMVNOの利用者はスマホに詳しい人が多くを占めていたため、各社は多様で幅広く、個性的な料金プランを提供して選択の幅を広げることを重視していた。だがそうではない利用者が多くを占めるようになってきたことから、個性的なプランは姿を消し、プランの数も絞るなど、分かりやすさを重視するようになってきたのである。

一例としてNTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」を挙げると、以前は「月額〇〇円でひと月×GBの高速通信可能」という月間通信量によるプランの他に、「月額〇〇円で1日当たり×××MBまで高速通信可能」という日ごとの通信量によるプランも用意されていた。日次プランは賢く使えば月次のプランよりも大容量通信が可能だが、一般的な利用者には分かりにくかった。そこで2019年11月からの新しい料金プランでは日次プランが廃止され、月次のプランだけになっている。

MVNOにも及んでいる法改正の影響

もう一つ、MVNOに影響しているのが、2019年10月に実施された電気通信事業法の改正である。この改正によって、携帯電話会社には通信料金と端末代金を明確に分離した「分離プラン」が義務化されたほか、スマホの値引き上限を2万円に制限されるなど、端末の値引きや契約を長期間拘束する割引などに大幅な規制が加えられている。

だが実はこの改正法の影響を受けるのは、NTTドコモKDDIソフトバンク(ワイモバイル含む)の携帯電話大手3社だけではない。自ら携帯電話や全国規模の無線のブロードバンドサービスのネットワークを構築している企業は全て規制対象となるため、MVNO最大手ながら新規の携帯電話事業者でもある「楽天モバイル」も規制対象だし、「UQ mobile」を展開しているUQコミュニケーションズも、WiMAX2+方式を用いた全国BWA(広域無線アクセス)サービス事業者なので規制対象だ。

またそれらのグループ企業も規制対象となるため、KDDI系の企業が提供する「BIGLOBEモバイル」、ソフトバンク系の「LINEモバイル」、そしてNTTドコモの兄弟会社であるNTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」も規制の影響を受けることとなる。

また携帯電話大手の系列でなくても、モバイル通信サービスの総契約数の0.7%を超える加入者を獲得した企業も規制対象になる。0.7%というのはおおよそ100万契約であり、現在はインターネットイニシアティブの「IIJmio」や、オプテージの「mineo」といったMVNOの大手がそれに該当する。

これらのMVNOのサービスは、分離プランの義務化や端末の値引き、いわゆる「2年縛り」の違約金、そして長期契約割引などに大幅な規制が加えられている。このうち特に影響が大きいのは、端末値引きであろう。楽天モバイルやOCNモバイルONEなどは、これまで自社、あるいは傘下企業を通じて通信回線とのセットによるスマホの大幅値引きを武器に、多くの契約を獲得してきた。だが現在は法改正による規制対象となっているため、値引き額も大幅に抑えられている。

料金だけではない各社の個性に注目を

これらの変化によって、MVNOは分かりやすく安心感のあるサービスを重視する方向に向かっている。しかしそれはMVNOならではの個性が失われつつあるということでもあり、携帯電話大手やそのサブブランドが低価格サービスに一層力を入れてくるようであれば、今後生き残りも厳しくなってくるだろう。

一部のMVNOは、料金以外のサービス面で独自性を打ち出し、存在感を高めようとしているようだ。例えばインターネットイニシアティブのIIJmioは、自社でSIMを発行できる「フルMVNO」であることを生かし「データ通信専用SIM eSIMプラン(ベータ版)」を提供している。

eSIMとはあらかじめスマホなどの中に組み込まれているSIMのこと。アップルの「iPhone 11」シリーズなどは、通常のICカード型のSIMだけでなくeSIMも利用可能なデュアルSIM構造となっている。そこでIIJmioはeSIM向けのプランを提供することで、こうした端末のeSIMを有効活用できるようにしているのである。

このサービスをiPhone 11などで利用すれば、例えば音声通話は携帯電話大手の回線を使い、データ通信にはより安価なIIJmioの回線を使うといった使い分けによって、料金の節約も可能になる。現在はあくまでベータ版としての提供となるが、将来的には正式なサービスとして提供される可能性が高いだろう。

またオプテージのmineoは、これまでユーザー間でデータ通信量を融通し合う「フリータンク」など、ユーザー同士で協力し合いながらサービスを向上させる取り組みを進めてきた。それをさらに進めた「ゆずるね。」を20年3月23日に開始すると発表している。

これは最も通信回線が混雑する平日の正午から午後1時の間に、利用者があえて宣言をしてデータ通信をしないことで、さまざまな特典がもらえるというもの。MVNOは平日昼休みの時間帯に通信速度が劇的に落ちることが最大のウイークポイントとなっており、それをユーザー同士で融通し合いながら解消する狙いだ。mineoらしさをうまく生かしたサービスといえるだろう。

そうしたことから今後MVNOを選ぶ上では、料金の安さだけでなく分かりやすさ、そしてサービスの独自性が重視されることになりそうだ。一方でMVNOはサポートにかけるコストを減らして低価格を実現しているため、大手と同じ充実したサポートが受けられない点は今後も変わらないだろう。契約後のトラブルを防ぐためにも、携帯電話大手から乗り換える際はその点をよく覚えておいてほしい。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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