格安スマホの今 安さ追求から独自機能重視に進化佐野正弘のモバイル最前線

NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」は、2019年11月20日に料金プランをリニューアル。光回線とのセット契約で月額980円から利用できる「新コース」を用意する一方、分かりにくさのある日次のプランは姿を消した
NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」は、2019年11月20日に料金プランをリニューアル。光回線とのセット契約で月額980円から利用できる「新コース」を用意する一方、分かりにくさのある日次のプランは姿を消した

格安でスマートフォンが利用できる「格安スマホ」として注目されたMVNO(仮想移動体通信事業者)。利用者層の変化や2019年に実施された電気通信事業法改正の影響などもあってサービスが変化しつつある。現在、MVNOがどのような取り組みに力を入れているのかをみてみよう。

料金プランは「分かりやすさ」重視へ

携帯電話大手のネットワークを借り、低価格でモバイル通信サービスを提供することで注目を集めてきたMVNO。携帯電話大手も低価格サービスに力を入れるようになってきたことで、一時のような勢いはないものの、2019年12月に総務省が公表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によると、MVNOサービスの契約数は2298万、移動系通信の契約数に占める比率は12.5%に達している。

MVNOサービス契約数推移。各年9月のデータ(総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」を基に作成)
MVNOの移動体通信の契約数に占める比率。各年9月のデータ(総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」を基に作成)

一方で、利用者の増加とともにMVNOを取り巻く問題も増えている。国民生活センターは2020年1月16日、MVNOを中心とした「格安スマホ」の利用に注意を喚起した。全国の消費生活センターへの格安スマホに関する問い合わせは2017年度以降年間2000件を超えており、携帯電話大手のサービスから乗り換えたとみられる消費者のトラブルが増えている。

MVNOの認知と利用が拡大したことでスマホに詳しくない人もMVNOのサービスを利用するようになってきた。消費生活センターへの相談でも60歳以上の割合が年々上がっており、2019年度は35.7%に達している。そうした市場環境の変化を受ける形で、MVNOのサービスにもいくつかの変化が見られるようになってきた。

変化の一つは、料金プランが分かりやすくなったことだ。かつてMVNOの利用者はスマホに詳しい人が多くを占めていたため、各社は多様で幅広く、個性的な料金プランを提供して選択の幅を広げることを重視していた。だがそうではない利用者が多くを占めるようになってきたことから、個性的なプランは姿を消し、プランの数も絞るなど、分かりやすさを重視するようになってきたのである。

一例としてNTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」を挙げると、以前は「月額〇〇円でひと月×GBの高速通信可能」という月間通信量によるプランの他に、「月額〇〇円で1日当たり×××MBまで高速通信可能」という日ごとの通信量によるプランも用意されていた。日次プランは賢く使えば月次のプランよりも大容量通信が可能だが、一般的な利用者には分かりにくかった。そこで2019年11月からの新しい料金プランでは日次プランが廃止され、月次のプランだけになっている。

「OCNモバイルONE」の新旧料金コース比較
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