さらば丼勘定 定年後のお金はシニア流三分法で管理経済コラムニスト 大江英樹

60歳で定年になった後に全く働かないという人もいるでしょうが、多くの場合は再雇用制度によって65歳まで同じ会社で働けるようになっているので60歳以降も働く人は珍しくないと思います。収入の多寡は人によって異なるものの、少なくとも働いて得た収入を生活費に回すのではなく、一時的な出費をまかなう資金としてプールしておくのです。

丼勘定は禁物

では3番目の定年までに蓄えた資産や退職金はどうするのかというと、これはできるだけ手を付けずに置いておきます。さらに高齢になったときに介護や医療にかかる費用として必要になる可能性があるからです。もちろん介護や医療は将来どうなるかはわかりません。仮に不要になれば高齢者向け施設の入居費用として使うこともできます。

さらに年金や勤労収入はフローのお金ですから、入ったものを必要に応じて支出するという使い方が適切だと思いますが、定年までに蓄えた資産や退職金は実際に使うまでに一定の期間があります。したがって将来の物価上昇に備えるために「個人向け国債変動10年」で運用してもいいでしょうし、資産や退職金が相当大きい金額であれば自分がリスクを取れる範囲で株式などの金融商品に投資するのも選択肢になりそうです。

ただし資産の大半を投資信託や株式に投じない方がいいでしょう。実際に資金が必要になった時に何らかの理由で大幅に値下がりしている可能性があるからです。

もちろんシニアの三分法が実際にこれほどきれいに分けられるとは限りません。しかし定年後のお金の出入りをよく管理せず、行き当たりばったりで対応していると老後の生活プランが大きく狂うことになりかねません。現役時代ほど収入のないシニア世代にとっては、お金の性質と使い道を考えた三分法は一定の意味があるのではないでしょうか。

次回の「定年楽園への扉」は2月27日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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