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春のオフィスはパンツルック 上品・きれいにアレンジ

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

オフィス姿の代名詞的な存在とも呼べそうなパンツルックにも、変化の兆しが見えています。持ち前の動きやすさを生かしながらも、堅苦しさや男っぽさを薄め、上品、きれいめ、フェミニンに寄せるのが今のトレンド。しなやかな働き方を求める女性の意識がお仕事ファッションにも変化をもたらした格好です。今回は新傾向を映す、「NEWYORKER(ニューヨーカー)」の春コレクションを参考に、新パンツコーディネートのポイントをお伝えします。

脱・無地シャツで、洗練されたハンサムなパンツルックに

無地の白シャツはオフィスルックのお約束的な存在ですが、無難でありふれた印象も生んでしまいがちです。シャツを柄入りに変えるだけでも、手持ちパンツの着回しパターンを増やせます。

正統派仕立てのテーラードジャケットは、マニッシュなハンサムムードをまとえます。パンツと組み合わせれば、お仕事コーデにぴったり。着慣れた白シャツの代わりに、ストライプ柄を選んで、シャープな着映えを演出。Vネックで立ち襟のスキッパーなら、胸元のキリッと感がアップ。適度な肌見せは、ジャケット姿の硬さをやわらげてくれます。

パンツルック特有のメンズっぽい印象をずらすには、ソフトな質感のブラウスが効果的です。上下で「フェミニン×マスキュリン」(女性的でもあり男性的でもある)のジェンダーミックスに整えると、場面を選ばない着方に役立ちます。

つややかなとろみ素材は穏やかなイメージが持ち味。細かいドット(水玉)柄をあしらえば、さらにやわらかい雰囲気に。低い襟は首周りを伸びやかに見せてくれます。襟をゆるめて、こなれ感も引き出すテクニックは春夏が出番。柄入りトップスの場合でも、全体をネイビー系でまとめれば、オフィスになじみます。春らしい白のパンプスは、ネイビーを引き立てる効果が申し分ありません。

ワイドパンツに軽量アウターで「優美×キビキビ感」

着心地の楽なボトムスの新・定番として定着したワイドパンツは、オフィスルックにも組み込めます。たっぷりした幅を生かして、さっそうと歩く様子は、職場にマッチしたキビキビ感も印象づけるから、上手に着こなしたいアイテムです。

白のワイドパンツに、ネイビーの羽織物を重ねると、マリンルック風のさわやかなコンビネーションが組み上がります。コートの面影を帯びた、ショート丈のライト(軽量)アウターは、春先の冷え込みもブロックしてくれそう。トラッドな仕立ては、オフの日でも使いやすいユーティリティーなアウターです。トップスに赤を迎えて、フレンチトリコロール(3色使い)に仕上げるのは、フレッシュな見え具合にまとまるアレンジです。

ワイドパンツをお仕事ルックに生かすポイントは、正面に施したセンタープレスです。文字通り、折り目正しい印象が強まり、太幅シルエットでも、「きちんと感」をアピールしやすくなります。

なめらかな質感のワイドパンツは、オフィスでも違和感を招きにくいタイプ。ニットトップスで合わせれば、気負わないムードに整えられます。オーソドックスなコーデは、ジャケットを羽織る形になりますが、着回しバリエーションとしてはフード付きのライトアウターを選択肢に加えて。マウンテンパーカ風の羽織物はカジュアルすぎないので、時にはオフィスにも着ていきたくなります。上品なパンプスを添えれば、オフィスの装いになじませやすくなります。

トーンをそろえて、オン・オフで自在に

上下のカラートーンや生地をそろえると、全体にまとまりが出て、オフィスで浮きにくくなります。上下そろいはスーツのイメージが強いのですが、実はスーツ以外のウエアを職場に持ち込むうえでも、重宝なスタイリングです。

ワンピースとしても着られる、ロング丈のシャツドレスは、着丈が醸し出す落ち感が持ち味。このようにワイドパンツと組み合わせれば、ロング×ロングのトレンドシルエットに仕上がります。縦長のリラクシングなムードは、落ち着いた人柄も印象づけてくれそうです。着こなしのポイントは上下で色味を近づけるところ。ベージュ系は自然体ムードも印象づけてくれます。

お仕事ルックから最も遠いと思われがちなデニムパンツ(ジーンズ)も、ワントーンにまとめて統一感を出せば、お仕事シーンでの出番が回ってきます。深いインディゴブルーや黒を選べば、スーツ風にまとえます。

上下をそろえた「デニムonデニム」のコーデを、カジュアルに見せないコツは、品格を感じさせる小物使いにあります。ベージュ系のバッグやパンプスを添えると、全体に落ち着きが加わります。上品テイストを帯びたボウタイ・ブラウスで合わせるのも、トレンド感の高い選択肢です。オフの日はチェック柄のシャツに差し替えて、きれいめカジュアルにスイッチ。赤のニットカーディガンを肩掛けすれば、顔周りが明るく映ります。

伝説のファーストレディーのようにハンサムフェミニンな装いを

「ニューヨーカー」の今季テーマは、伝統にとらわれないファッションセンスから、「伝説のファーストレディー」と呼ばれるジャクリーン・ケネディ元米大統領夫人です。トラッドな着こなしで有名だった夫同様、品格や気品を保ちつつ、多彩なスタイリングを披露した「ジャッキー・ルック」の装いは、現代でも参考にしたくなる工夫にあふれています。

動きやすいのに加え、快活さや行動力も示せるパンツルックは、お仕事コーデのムードメーカー的な装いでもあります。型にはまらないアレンジを試すと、自分らしさも薫ります。決め手はパンツのイメージを裏切るアイテムを投入するところ。春からの自分キャラクター戦略としても、パンツコーデに新アイデアを取り込んでみてはいかがでしょう。

(画像協力)
ニューヨーカー
http://www.newyorker.co.jp/
宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。

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