住宅ローン、「頭金は多い方がお得」の常識が変わる

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写真はイメージ=PIXTA
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都市部の住宅価格が高止まりし、住宅ローンと頭金(自己資金)のバランスに悩む人も増えている。一般に頭金が多くなるほど払う利息は減るが、行き過ぎると家計運営が危うくなる例もある。適切な住宅資金計画を立てるためのポイントを探った。

頭金20%以上で金利低く

「頭金は10%か20%か。かなり悩んだ」。昨年末、東京都港区で中古マンションを買った40代会社員男性は話す。購入価格が6000万円超で、10%にあたる頭金だけで差は約600万円になる。考え抜いた末、手元の貯蓄が減り過ぎるのを避けるため頭金は10%にしておいたという。

住宅購入時、頭金が多いほど借入額は少なくなり、払う利息も減る。一般的に民間の住宅ローンでは頭金の額によって金利は変わらないが、最近は固定金利型で頭金を20%以上にすると金利を低くするものが登場している。

住信SBIネット銀行や日本住宅ローン(東京・文京)が扱う「フラット35保証型」と呼ぶタイプで、購入住宅が省エネ性能などの基準を満たせば、金利は最長で当初10年間は年0.8%台にまで下がる。借入額が少なく金利も低いなら、支払う利息は一段と減らせる。固定型でできるだけ金利を低くしたい利用者の需要をつかんでいる。

頭金を多く入れることを条件に、0.8%台などの低金利にするローンが増えている

もっとも頭金を増やすことには注意点もある。ファイナンシャルプランナー(FP)の久谷真理子氏は「多額の頭金を払った後きちんと家計が運営していけるかの確認が欠かせない」と話す。住宅価格が高止まりする現状では、頭金を10%多くするだけで当初出費が数百万円増えるのが一般的となり、それだけ家計の貯蓄は減ることになる。

ローン返済が始まった後、教育費や医療費などの出費が増えた時に家計が持ちこたえられるかは考えておきたい。もし頭金の払い過ぎが原因で貯蓄が不足し、教育ローンなどを使うと、住宅ローンで節約した利息分以上の負担増が生じかねない。